異世界魔王ライフ。第32話。魔王と、悪夢の無限ループ(探求編)
(前回までのあらすじ)
異世界魔王をやっている。キール(以下俺)。
色々あって、(31話まで参照)
俺は、時の宝珠の副作用で、
悪夢の無限ループになった。らしい。
それらを解消すべく、俺と、
コピー魔王(以下元魔王)と、
レディ(以下女神)で、
俺の悪夢へと、立ち向かった。
……ってか、また、寝ただけ。なんだけどな(笑)
…………キールの夢の中。…………
俺『ウーン……。おかしいな……。』
俺は、自分の夢の中で、考えてた。
俺『確か、俺って、悪夢に、うなされてた。
……んだよなぁ。』
俺は、目の前?に広がる、夢の景色をみて。
俺『……なんつーか。ほがらか。っていうか。
のんびり。つーか。居心地の良い所なんだが。』
上手く言えないけど、悪夢とは真逆な、
心が落ち着くような。そんな夢だった。
俺『きっと、仲間達に、悪夢の事を話したから、
心が落ち着いた。のかも知れないな。シランケド。』
俺は、悪夢から解放された気分になって、
ホッ。としていた。
元魔王「おーい!ブラザー!!」
遠くから、コピー魔王の声がした。気がする。
俺『おーい!こっちだ、こっち~!!』
俺はコピー魔王を、こっち(俺側)に呼び寄せた。
元魔王「……コレが、ブラザーの夢か。
ずいぶん、ほがらか。だな……。」
俺『そうなんだよ。
さっきまで、悪夢に、うなされてたのに。
なんか、おかしいんだよ。』
俺は、コピー魔王に、質問した。
元魔王「アレか?
悪夢なんて、そもそも、無かったんじゃね?」
俺『それは無い。
お前だって、悪夢を、見てたんだろ?』
元魔王「そうだっけ?
まぁ、良い夢になったんだし、
ここで二人で、ゆっくりと、過ごそうぜ。
嫌な事は、全て、忘れてさ。」
……ん?
俺は、
この、コピー魔王の言葉に、違和感が走った。
俺『……そっか。二人で、かぁ~。』
元魔王「そうそう。他に、誰も来ないんだし、
このまま、夢の中で、ゆっくりしようぜ!!」
……ん?ん?
カマかけたら、違和感は、本物だった。
もう1人来る事は、
コピー魔王も、知ってるハズだ。
俺『お前は、ダレd……。』
そう言いかけた時。
?「危ない!ブラザー!!」
別の影が、俺を、突き飛ばした。
俺が、元々居た空間は、粉々に無くなっていた。
?「何とか間に合ったぜ。ブラザー!!」
そこには、もう1人の、コピー魔王が居た。
やっぱり、さっきのは、偽物か。
元魔王?「騙されるな!ソイツは偽物だ!!」
偽物らしい方が、何か言ってた。
元魔王「俺様が本物だ!騙されるな!ブラザー。」
……確かに、両方とも、偽物って可能性もある。
ここは、両方に、質問するか……。
俺『以前、お前と、
サシで、闘った時があったよな?
その時、もう1人来たよな。
ソイツの本性は、なんだっけ?』
すると、コピー魔王達?は、答えた。
元魔王?「女神だろ?
俺様の「破壊者」を止めた。」
元魔王「そうなのか?知らなかった。
俺様の「破壊者」が、相殺されるハズだわ。」
……答えは出た。
俺は、偽物を、指さして答えた。
俺『お前は、誰だ!!
本物なら、
レディが、女神なんて、知らないからな!!』
そう。今まで、レディが女神である事は、
俺以外、知ってるハズが無いんだ。
元魔王?「クックック……。知りすぎるのが、
裏目に、出てしまいましたね……。」
そう言うと、元魔王の姿から、
巨大な、漆黒の闇が生まれた。
元魔王?「私は、時間の歪(ゆが)み。
大人しく、騙されてたら、
苦しまずに、済んだのに……。」
そう言うと、まがまがしい姿に、変わった。
元魔王「コレだ!コレが、俺達の悪夢の正体だ。」
俺『……だろうな。俺も、思い出したよ。
悪夢の姿。コイツに、何回も殺られてたんだ。』
そう。
夢の中で、何度も殺られ、瀕死で目が覚める。
そして、目が覚めても、夢の出来事を忘れ、
また夢を見る。で、瀕死で目が覚める。
……今までの中で、1番厄介な相手だ。
時間の歪み(以下歪み)「あれだけ、
瀕死にしたのに、まだ、闘いますか……?
無駄ですよ!ここは、夢の中ですからネェ!!」
時間の歪みの攻撃が来た!!
俺達は、
俺『特殊能力「発案者」起動!!』
元魔王「特殊能力「破壊者」発動!!」
同じ事を考えてたが、
俺達『グハッ!!何故、発動しない!!』
二人とも、モロにダメージを食らった。
歪み「無駄ですよ。夢の中ですからネェ!!」
……そう。特殊能力が使えない。
だから、何回も、瀕死になったんだ。
元魔王「……コレは、かなりヤバいぜ。ブラザー」
俺『……あぁ。今回ばかりは、流石にヤバいな。』
俺達は、防戦一方で、勝てる気がしない。
また、殺られるのか……。
そんな事が、脳裏に浮かんだ。
その時。
女神『まだ、諦めては、いけません!!』
アルファ(以下α)「レディに言われて、
助けに、来たよ~!!」
と、レディと何故かアルファが、俺の夢に来た。
元魔王「レディ!遅かったじゃねーか!!」
俺『ってか、なんで、アルファが居るんだ?』
俺は、疑問をぶつけた。
女神『私が、連れてきました。』
レディは、当たり前の様に答えた。
α「レディに言われて、一緒に来たけど、
キール様は、負けない!
あなたが強いのは、私が1番分かってる!!
あんな雑魚、殺っちゃってよ!!」
その言葉に、俺は、強くなり、
時間の歪みは、弱体化した。
元魔王「どういう事だ?説明しろ!?レディ。」
俺の代わりに、コピー魔王が質問した。
女神『ここは、夢の中です。
時間の歪みは、あなた達が、勝てないって、
暗示してるから、負けるのです。
しかし、その暗示さえ、とければ、
負ける相手では、無いのですよ。』
α「キール達は、負けない!絶対!!」
女神『ここは、キールの夢です。
頭の良い貴方なら、答えは、分かりますよね。』
……なるほど、よく分かったぜ!!
ありがとう。アルファ、レディ。
俺『特殊能力「発案者」起動!!
時間の歪みを、消滅させろ!!』
俺の考えは、的中した。
俺の「発案者」は、起動して、
歪み「そ、そんなバカなぁ~~!!」
時間の歪みは、消滅した。
俺『……ふぅ。上手くいった。』
元魔王「どういう事だ?俺様にも、説明しろ。」
まだ理解出来てないコピー魔王は、質問した。
女神『時間の歪みに、特殊能力が使えないって、
暗示をかけられていたのよ。
だから、起動しなかったのよ。』
俺『でも、アルファの出現で、
ココは、俺の夢なんだ。って理解した俺は、
「俺は強い。特殊能力を発動出来る。
だって、俺の、夢の中だからな!!」
って思ったら、予想通り、使えたんだよ。』
α「なんか知らないけど、役に立って良かった。」
元魔王「……なるほどな。
俺様が、特殊能力を使えない事は、納得した。
でも、なんで、アルファだったんだ??
他のヤツでも、大丈夫だろ??」
それは、俺も思った。なんで、アルファなんだ?
女神『それは、連れて行けるのが、1人だけ。
どうせなら、勝利の女神を、連れて来た方が、
キールの、ヤル気が出るでしょ?』
俺『なんで、1人だけなんだ??』
もっと、連れてくれば良かったのに。
女神『私の両手が、塞(ふさ)がるからよ。
キールとアルファで、いっぱいいっぱいだから。』
物理的な理由かよ!!
俺は、心の中で、突っ込んだ。
α「それよりもさ。
キール様の夢の中を、もっと見たい!!
デートしよ!デート!!」
元魔王「良いんじゃねぇか?
勝利の女神を、エスコートしてやれよ。
ブラザー。」
俺『俺のプライバシーだ!!断固拒否!!』
α「良いじゃん!減るモンじゃないし。」
俺『間違いなく、俺の何かが、減るの!!』
元魔王「今更、何言ってんだ。観念しろ。」
俺『いーやーだー!!拒否、拒否、拒否!!』
俺達が、わちゃわちゃ話してると、
女神『……どうやら、時間のようですね。
起きますよ。皆さん。』
レディが、助け舟を出した。
α「キール様の、恥ずかしい夢を探す……。」
俺『やめろ~……。』
元魔王「ヤレヤレ……。」
女神『行きますよ。皆さん……。』
俺達は、目が覚めた。
朝日が登って、明るくなっていた。
元魔王「悪夢の無限ループが……。」
俺『解けた……。』
ベータ(以下β)「おかえりなさい。」
シグマ(以下∑)「やっと、戻ってきたわい。」
ガンマ(以下γ)「どうだった?キール様の夢は。」
α「それがねぇー。なんも、無かったわよ。」
女神『あら、私は、
キールの恥ずかしい夢を見れたわよ(クスクス)』
α「ナニナニ!?教えなさいよ!?レディ!?」
女神『それはねぇ……。(ニヤニヤ)』
俺『やーめーろーよー!!』
こうして、悪夢の無限ループは、
俺のプライバシー(?)と引き換えに、
無事、帰って来る事が、出来た。
女神『あのねぇ……。(コソコソ)』
仲間達「ナニナニ??」
俺『やめてくれ~~!!恥ずかしくて死ぬ!!』
元魔王「1回、死んでこい。(ニヤニヤ)」
俺『それは、あんまりだぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
俺の、心からの叫びは、
仲間達の、笑顔の中に、
無情に、響き渡った……。
32話。探求編。終 制作・著作 ━━━ きぃえぁ
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