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異世界魔王ライフ。第30話。魔王軍の、それぞれの作戦。(後編)

(前回までのあらすじ)

異世界転生で、魔王になった俺。

色々あって、(29話まで参照)
一人で、魔王城の留守番を、しばらくしてた。

……俺の留守番を、してた時も、
こんな感じ。だったのか。

……それにしても、長い。長すぎる。
俺が、次に、旅に出た時は、
今度からは、早めに、魔王城に、戻ろうかな。

とか考えてた、そんな、ある日の事だった。
それは、突然、やってきた。

…………魔王城。最奥の、魔王の玉座…………

キール(以下俺)『……暇だ。』

何も、する事が無い。
つまり、平和って事。なんだろうけど……。

俺『退屈だなぁ……。』

勇者を待つ魔王って、大変だったんだな。

今度っから、もし、RPGをやる時があったら、
なるべく、早くレベル上げて、
会いに行ってあげよう。ウンウン。

……って、やる機会なんて、無いけどな!!(笑)

そんな、一人ボケツッコミを、かましていると。

雑魚A「た、大変です!魔王様!!」

俺『どうした!一大事か!!』

ようやく、俺の出番か!?

雑魚A「フライパンが焦げて、大変です!!」

_(┐「ε:)_ズコー

俺『そんなもんで、俺を呼ぶな!!
……ったく、フライパンってのはなぁー。』

と、フライパンの手入れやら、
焦げない方法を、教えた。

雑魚A「ありがとうごさいます!さすが魔王様。」

俺『褒められても、嬉しくない。
何だよ!魔王の俺が、フライパンの話しって!』

雑魚A「これで、フライパンが、焦げる度に、
新品に、変えなくて済みます!!」

おいおい。
使い捨てフライパンなんて、聞いた事が無いぞ。

俺『……今度からは、大事に、使う様にしろよ。』

雑魚A「ハイ!ありがとうございます!!」

雑魚Aは、笑顔で、去っていった。

俺『……なんだったんだ。まったく。
これが、魔王の仕事なのかよ。』

もし、魔王が、フライパンを綺麗にしてる時に、
勇者と遭遇。なんて事があったら、
魔王としての、フライドは、ズタボロ。
その時点で、負けるより恥ずかしいだろうな。

意外と、大変なんだな。魔王って。

今度、RPGをやる時は、
魔王のプライベートを、見ない様にしよう。

まぁ、こっちの世界に、やる機械は無いけどね!

と、また、一人ボケツッコミを、やっていた。

その時、雑魚Aが、慌ててやって来た。

雑魚A「た、大変です!魔王様!!」

俺『今度は何だ?また、フライパン絡みか?』

俺は、ヤレヤレって感じで、答えた。

雑魚A「違います!!レディ(以下女神)様が、
ボロボロになって、玄関で、倒れてました!!」

俺『なんだって~!!
んで、レディは今、どこに居るんだ!!』

雑魚A「今、部下達が、医務室に運んでます!」

俺『すぐ行く!待ってろよレディ!!』

俺は急いで、医務室へと向かった。

…………魔王城。医務室。…………

そこには、すでに、傷だらけで、
虫の息のレディが、ベッドに、横たわっていた。

元女神だったレディを、
ここまで、追い詰める奴が、いるのか!?

俺は、怒りにも似た感情が湧いていた。

俺『レディ!!大丈夫か!!
今、助けてやる!!特殊能力!「発案者」!!
レディの怪我を、治せ~!!』

レディの顔色が、みるみる良くなっていった。

女神『……ありがとう、キール。
……それより、仲間のみんなを、助けて。』

俺『みんなは、どこに居るんだ!?』

女神『……ねこまんま亭よ。
仲間達は、私を逃がす為に、
そこに残って、戦ってるわ。』

俺『分かった!!ねこまんま亭だな!!
野郎ども!この城と、レディの看護を頼んだぞ。』

雑魚達「わかりました!お気を付けて!!」

俺は、急いで、ねこまんま亭に、向かった。

……法教国家。エーベ村。ねこまんま亭前……

俺『……ここに、みんなが、居るのか!?
頼む!無事で、居てくれ!!
俺が必ず、助けるからな!!』

俺は、ねこまんま亭の扉を、開けた。

辺りは、静かで、暗かった。

俺『みんな、大丈夫か!?どこに居るんだ!?』

もしかして、間に合わなかったのか!?

俺は、慌てて、ねこまんま亭内を、探した。

…………ねこまんま亭。大広間。…………

俺『クソッ!?どこにも居ない!!
みんな、どこに居るn……』

その時、部屋が、急に明るくなった。

みんな『キール様!!ハッピーバースデー!!』

軽快な音楽と共に、仲間達が集まっていた。

俺『エッ?エッ?ナニ?何が起きたんだ??』

俺は、パニクった。

アルファ(以下α)「お誕生日おめでとう!!
キール様。コレ、私が作ったの!見てみて!!」

そこには、
立派なケーキが、でかい図体で、あった。
そこには、「キール様。ハッピーバースデー。」
と、書いてあった。

α「この文字は、子供達が書いたのよ。
凄いでしょ。褒めてあげて。」

アルファの隣には、子供達も居る。

子供達「エッヘン。どう?おじさん?」

俺『あ、うん。エラいエラい。
……って、みんな、大丈夫か!?』

すると、別方向から、説明が入った。

ベータ(以下β)「大丈夫ですよ。キール様。
ドッキリ大成功。ですから(笑)」

俺『ドッ……キリ??』

俺は、まだ理解が、出来てなかった。

β「ハイ。レディの発案で、
バースデードッキリを、行いました。」

ドッキリは、理解した。でも……。

俺『だって、レディが、
酷い怪我で、虫の息だったんだぞ!?
アレは、どう説明するんだ!?』

女神『それは、私の演技力と、
「創造者」で作った傷だから、問題無いわよ。』

気がつくと、後ろに、レディが居た。

俺『はぁ~~~!?心配して、損した!!』

女神『何よ!?
そんな言い方しなくても、いいじゃない!!』

俺が、レディに、つっかかろうとした時、

シグマ(以下∑)「まぁまぁ。
レディの演技力のおかげで、
ドッキリ大成功だったんじゃから、
良かったではないか。フォッフォッフォ。」

と、止められた。

ガンマ(以下γ)「そういう事だ。」

コピーガンマ(以下コピーγ)「観念しろよ!!。」

コピー魔王(以下元魔王)「騙される方が、悪い。」

アイリーン(以下白龍)
「それが、キールの、良い所なんだけどね。」

ジェーン(以下お母様)「って事で……。」

色んな方向から、声が上がって、

みんな「改めて、お誕生日おめでとう!キール。」

盛大に祝ってくれた。

……そっか、色々あって、忘れてたけど、
今日って、俺の誕生日だったのか。

俺『ありがとう、みんな。本当にありがとう。』

俺は、素直に喜んだ。

俺『そういえば、この音楽は何だ?』

前に、ねこまんま亭に来た時には、無かったぞ。

β「この音楽は、元々あった、機械を改造して、
流しております。キール様の小説も流せますが、いかが致しますか?」

ベータが、説明してくれた。

俺『それは、止めてくれ。
俺が、恥ずかしい思いを、するだけだ(笑)』

β「わかりました(笑)」

俺達が笑ってると、
人型のアイリーンと、ジェーンが来た。

白龍「私と、お母様様からのプレゼントはコレ。
最高級イベリコザメのフカヒレと、キャビアよ。」

∑「ほぅ……。
コレは、手に入れるのが大変じゃっただろう?」

シグマが、質問した。

お母様「そりゃあ、ナットークの総力をかけて、
探しましたからねー。苦労しましたよ。」

白龍「私と、お母様で、
大聖獣イベリコザメを、倒したんだから!!」

よく見ると、みんな、あちこち怪我してる。
俺の為に、苦労したんだな……。ジーン。

女神『私からは、コレ!!
天然物の、幻の食材。トリュフ松茸よ!!』

レディは、見たことないキノコを出してきた。

γ「天然物のトリュフ松茸って、
絶滅したんじゃ、無かったのか?」

俺『お前……。まさか、「創造者」で作ったのか?』

俺達の疑問に、レディの隣の人が、言った。

森の管理者(以下管理者)「それは、違います。
コレは、伝説の島でも、希少種のホンモノです。」

女神『まったく!探すの大変だったんだからね。』

管理者「本当に、疲れました(-_-;)ハァ…」

俺『疑って悪かった。ありがとう。
レディ、森の管理者さん。』

それを見た、ねこまんま亭の老婆(以下店主)は、

店主「これだけの高級品だと、
久しぶりに、腕が鳴るワ。
この材料を使って、美味しい物を作るわね♡」

店主は、厨房に消えていった。

元魔王「なぁ……。高級食材って、
いち宿屋の主人に、扱える物なのか?」

俺も、同じ疑問を思ってた。

α「大丈夫よ。
昔は、超一流料理人だった。らしいから。
詳しくは、知らないけど。腕は確かよ。」

俺『見かけによらず、凄い人だったんだな……。』

なんつーか、
実は、凄い人達の集まりなんじゃね?俺らって。

∑「ワシらからは、コレじゃ!!」

そう言うと、見た事が無い草を出した。

∑「コレが、伝説の野草。マンドラゴラじゃ!。」

γ「コレが、マンドラゴラか……。でも、ジジイ。
コレは、煮ても焼いても、不味いぞ。
どうすんだよ。コレ。」

確かに。
今は、誰も、魔王病には、かかって無いからな。

元魔王「ジジイ。ボケは、その位にしとけ。
本当のプレゼントは、コレだ。」

元魔王は、ひと振りの剣を、俺に渡した。

∑「スマンスマン。その剣は、魔王の証。
アダマンダイアの剣。じゃよ。」

元魔王「お前の代わりに、ジジイと、
地下迷宮の最奥まで行って、取ってきたんだ。」

俺『って事は、
コピー魔王が、持ってれば良くね?』

元魔王「忘れたのか?俺様達は、ブラザーだろ?
つまり、お前の力でも、取れた。って事だ。」

∑「魔王試験の、再試験って感じ。じゃがの。
フォッフォッフォ。」

元魔王「これは、ブラザーが、持っておけ。」

俺『ありがとう。シグマ、コピー魔王。』

俺は、アダマンダイアの剣を、受け取った。

コピーγ「最後に、俺達だな。苦労したぜ。」

γ「俺達のプレゼントは、コレだ。」

俺は、丸い玉を渡された。

俺『……何、コレ??』

困った俺に、レディが、口を挟んだ。

女神『それって、まさか、時の宝珠じゃない!!
よく見つけたわね!?』

γ「あぁ、その通り。時の宝珠だよ。」

コピーγ「裁判長の地図を、頼りに探した、
伝説の義賊、ゴールド・アルセーヌの、
時の遺産だよ。」

凄い玉だったんだな……。コレ。

女神『この宝珠には、
時の神の力が、入ってると言われてて、
願う者の、願う過去を変えられる、
チートアイテムよ。』

俺『俺が、願う過去か……。』

俺は、時の宝珠に、強く願った。

そして、時の宝珠は、粉々に割れた。

女神『まぁ、
1回使い切りの、チートアイテムなんだけどね。
で、キールは、何を変えてきたの?』

俺『それは……。』

俺が言い切る前に、アルファが、涙した。

α「ウソ……。お父様と、お母様が、生きてる!?」

俺『……あぁ。俺の過去を変えたら、
こんな頼もしい仲間に、出会えなかったからな。
アルファ、約束は、守ったぜ。』

α「ありがとう!キール様!!」

アルファは、俺に抱きついてきた。

女神『……あなたらしいわね。キール。』

β「だから、みんな、慕(した)ってんですよ。」

γ「違ぇねぇな。」

∑「だからこそ、」

コピーγ「みんなが、」

元魔王「こうやって、」

白龍「集まって、」

お母様「来るのですね。」

店主「そういう事♡」

女神『あっ!私のセリフが無い!悔しいワ!!』

みんな『(大爆笑)』

こうして、人騒がせな、1日が終わった。

今日は、無礼講。

魔王城でも、盛大な、祝福モードだった。

多分、レディが、教えたんだろう。

他の国家も、秘密裏に、
今日だけは、魔王城に進軍しない事に、
なってたらしい。

それは、ひとえに、
キール達の、人望のおかげなのか?

はたまた、他国家からの、祝福なのか?

あるいは、神のイタズラなのか?

その理由は、誰も知らない……。

30話。終 制作・著作  ━━━━━    きぃえぁ






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