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諏訪ななかさんをハグしたい。

半ばタイトル詐欺です。

ラブライブ!サンシャイン!!」は松浦果南役で一躍有名となった諏訪ななかさん。2019年9月2日にファンクラブが開設されました。おめでとうございます。加えてAqours 4thシングル「未体験HORIZON」の発売がいよいよ迫ってきたということで、松浦果南がセンターを務めたAqours 3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」を軸に彼女の「歌」の変遷のお話でもしようかなと思った次第です。

彼女の魅力については個々人にお任せしますが(パフォーマンス面で言えば四肢の長さを活かしたダンスと表情の作り方が私の好みです)、Aqoursとして活動する上での弱点をひとつ挙げるとするならばそれは「歌」でした。人前で歌うのがニガテなのか、大きな会場で歌うのがニガテなのか、踊りながら歌うのがニガテなのか、松浦果南として歌うのがニガテなのか、そもそも歌うのがニガテなのか、要因は定かではありませんが、ライブで聴くと、「Aqours☆HEROES」の「は→や↑く→」に代表される高音ソロパートで特に「アッ……」となることが多く、twitterに「#諏訪ななかのカラオケ大会」なる不名誉かつ失礼極まりないタグができてしまうほどなので、私の主観だけというわけではないのでしょう。

センター総選挙で松浦果南が1位に輝き、彼女がAqours 3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」のセンターを務めることが決まったとき、「自分の実力が追い付いていないことにもどかしさを感じていた」そうです(B.L.T VOICE GIRLS VOL.32)。まったくその通りで、私も観賞する側として「大丈夫なのかな??」と思っていたことを覚えています。この「HAPPY PARTY TRAIN」を引っ提げての2017年8月からの「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR」はLV含めて5公演拝見しましたが、開幕の「HAPPY PARTY TRAIN」はいつもドキドキでした。
「ちゃんと声出せるかな……」
「落ちサビの高音を外さないかな……」
娘がいないので正確ではありませんが、もしかすると娘のお遊戯会を見守る親の気持ちというのはこんな感じなのかもしれません。残念ながら私の思い描く最高の「HAPPY PARTY TRAIN」には程遠く、以降、ファンミーティングでも何度となく披露されましたが、「HAPPY PARTY TRAIN」のイントロが流れると、HAPPYでPARTYな気持ちよりも、諏訪ななかさんを心配する気持ちが先に湧いてきてしまっていました。

そんな印象がガラリと変わったのは「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~」でした。

本公演にも特別な彼女の見せ場があります。松浦果南ソロ曲である「さかなかなんだか? 」です。この曲もまた、娘のお遊戯会を見守る親の気持ち(仮)で観賞していたのですが、しかしそれは歌唱がどうこうではなく、曲調と正面ステージを使った演出が、まさにお遊戯会のようで、単純に可愛かったからです。そして歌があまり気にならなかったことが逆に気になりました。
「あれ? 歌うまくなってないか?」
3rdライブで初披露だった「さかなかなんだか? 」だけでは自信が持てなかったのですが、福岡公演のみセットリスト変更で差し込まれた「HAPPY PARTY TRAIN」でそれは確信に変わります。
「やっぱり歌うまくなってる……!」
歌いだしも落ちサビも綺麗に出ています。Twitterで検索すると同様の印象を持った人がいくらか観測されたので私の主観だけというわけではないのでしょう。後にラジオでも言及され、ボイストレーニングのお話をされていました。このような変遷を得て、私は福岡公演2日目にして初めて、諏訪ななかさんを心配することなく「HAPPY PARTY TRAIN」を聞くことになります。何度となく聞いてきた楽曲ですが、感動で少しばかり泣きそうになりました。娘がいないので正確ではありませんが、もしかすると娘の成長を実感する親の気持ちというのはこんな感じなのかもしれません。「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~」「LOVE LIVE! SUNSHINE!! Aqours World LoveLive! ASIA TOUR 2019」でも引き続き披露されていますが、「HAPPY PARTY TRAIN」のイントロが流れると、今は素直にHAPPYでPARTYな気持ちになることができます。

諏訪ななかさんといえば、Aqoursのライブの挨拶で、松浦果南のセリフをなぞって「ハグしよ」と残りの8人からランダムで誰かをハグするのが恒例となっています。ランダムで、とはいいましたが、ピアノの前に立たなければならない逢田梨香子さんだったり、バク転をしなければならない伊波杏樹さんだったり、スペシャルゲストを招いての11人曲の歌い出しをしなければならない降幡愛さんだったり、その日のライブで頑張らなければならない人を選びがちです。では、もどかしさを感じつつニガテを克服するために恐らく人一倍頑張ってこられただろう諏訪ななかさん自身はいつ誰にハグしてもらえるのでしょう。ここは私が! とは言いません。いつもハグしている誰かから、イマジナリー松浦果南から、ちゃんとハグしてもらえているといいなと。そんなことを思い、本項を書きました。

ところで、劇場版挿入歌である「Hop? Stop? Nonstop!」では、黒澤ダイヤ役の小宮有紗さんが歌う「デキナカッタコトガデキタリー」に持っていかれがちですが、その後に諏訪ななかさんが歌わなければならない「いっしょなら弾けるパワー」も音域が高く音程の難しいパートです。昔の彼女なら結構厳しいんじゃないかと思っていましたが、「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 5th LoveLive! ~Next SPARKLING!!~」では大きな問題もなく歌っており、まさにデキナカッタことができるようになったんだなと感心していました。

だから私は聞いてみたいのです。デキナカッタことができるようになった今の彼女が歌う「Aqours☆HEROES」を。

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