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日頃から節電しているとインセンティブを感じない節電チャレンジの違和感。

類似世帯に比べて頑張ってたら褒めてくれよという話です。

近年、ニュースなどで「電力逼迫」という言葉をよく目にしたり耳にしたりするようになりました。ライフラインのひとつである電力が十分ではないというわけですね。そもそも供給力をなんとかせいという話ではあるのですが、どうもそうはいかない事情があるようなので、国民にお願いして、需要を減らすことで目先の解決をしようとしています。

その一環として節電に協力してくれた人にポイント還元しようというのが「節電プログラム」であり、ソフトバンクの犬である私はソフトバンクでんきのエコ電気で参加表明&節電すればPayPayのポイントが貰えるようです。

参加するだけでデメリットなく2000円分貰えるので、とりあえず参加してみることにしました(エコ電気の参加表明期間はすでに終わっています)。

ここは節電関係ないので、言葉を選ばずに言えば、参加意識を持ってもらうためだけに2000円をばら撒いていることになります。これで何か美味しいものを……ではなく、値上がりしている電気料金の足しですね。全然足らないけど。

そして本題の節電チャレンジの一部がこちら。日々の節電でポイントが付与されるのですが、これがどうも納得いかないというか、私の生活スタイルだと「よし、節電するぞ」の気持ちがまったく喚起されないデザインとなっています。

これはピーク時間帯の需要を下げるための試みです。時間指定の募集案内が来るので、参加したり、成功したり、失敗したり。これ何が起こってると思いますか? 対戦相手は過去の私。会社に行っている間の過去の私と会社に行っている間の今の私が戦っているんですね。出社時に照明を消し忘れなければ必要最低限の待機電力しか使っておらず、これ以上の節電のしようがありません。それでいてちょっとした日間差で勝ったり負けたりしています。

成功したときの詳細がこちらです。

グラフをパッと見ると1割だけ節電できているように見えます。しかし実はグラフマジックです。数字を見てください。端数はあるかもしれないけどもうゼロなんですよ。グラフの9割を占めるゼロってなんだよ。もうこれ以上、下げようがない。元々0.1 kWhと少ない私不在の電気使用量がゼロになるかならないかで私の勝敗が決まっています。最近、節電量を競う週間ランキングが始まりました。順位によってポイントが貰えるようですが、私の順位は当然酷いものです。なぜなら元から節電量を稼げるほどの使用量がないないから。元から節電頑張っているから。

それは生活スタイルの問題で該当の時間にあなたが家にいないだけでしょと言われたらそれはその通りなので、全体を俯瞰してみます。

類似世帯との比較を見ると、いかに私が夏場と冬場に節電を頑張っているかがわかります。冬場は半減以上です。要因は間違いなくここ数年エアコンが壊れたままで冷暖房機器を使わないからなんですが、電気使用量としては節電チャレンジに成功していると言っていいのではないでしょうか。しかし戦う相手が類似世帯ではなく過去の自分なので、強すぎて全然ポイントは貰えないし、(集計方法に見落としがなければ)全然順位も上がりません。

既に節電で国に貢献できている私の場合、参加表明して節電とは関係ない固定の2000円をもらった時点でこのプログラムは終わったも同然なのです。ここからは最大1円を目指して暮らしに必要な最低限の電気使用量を何とか削る努力をするよりも、暮らしはそのままに電力を使ってTポイントのアンケートに答えた方が割がいい。

無駄な電力をバンバン使っている人に抑えてもらうためのプログラムであることは理解できるのですが、日頃から節電意識の高い人に対するインセンティブもあるデザインにできなかったのでしょうか。そんなことを考えながら今日も私不在の待機電力運試しに挑戦します。

余談
めっちゃ太っている不健康な人とちょっとだけ太っている健康な人が同じ健康プログラムで生活改善するとめっちゃ太ってる人の方が当然数字としては体重が大きく落ちやすいので生活改善により成功しているように見えたり(見せたり)、節電に限らず、普段からちゃんとしている人の努力や成果が可視化されてないことって世の中に結構あると思うんですよね。マイナススタートの方が何故か見栄えが良いというか何というか。不良がちょっといいことをするだけで美談に昇華されるのも類似の構造です。日々頑張ることでそこそこでいいのでちゃんと成果を出し続けている人もちゃんと報われる世界であってほしいなぁ。

頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となる。