売価還元法って何?

売価還元法は棚卸資産の評価方法の一つです。簿記1級の試験では、商品の評価に関する論点として出題されます。

(4) 売価還元法 とは 値入率等の類似性に基づく棚卸資産のグループごとの期末の売価合計額に、原価率を乗じて求めた金額を期末棚卸資産の価額とする方法 売価還元法は、取扱品種の極めて多い小売業等の業種における棚卸資産の評価に適用される。

企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準 会計処理 棚卸資産の評価方法より


目次

  1. 売価還元平均原価法

  2. 売価還元低価法

1.売価還元平均原価法

商品の自然的分類(形状、性質、等級等の相違による分類)に基づく品種の差異をある程度無視し、異なる品目を値入率、回転率の類似性にしたがって適正なグループにまとめ、一グループに属する期末商品の売価合計額に原価率を適用して求めた原価額を期末商品の貸借対照表価額とする(当該商品グループの期首繰越原価と当期受入原価総額の合計からこの期末商品原価を差し引くことによって当期の費用に配分される商品原価すなわち売上原価を求めるのである。)。原価率の計算は次の算式による。
原価率=

       期首繰越商品原価+当期受入原価総額
─────────────────────────────────────────────
期首繰越商品小売価額+当期受入原価総額+原始値入額+(値上額-値上取消額)+ (値下額-値下取消額)
  この原価率を適用する売価還元法によれば期末商品の総平均原価に相当する評価額が求められるので、これを売価還元平均原価法となづけ、取得原価基準に属する評価方法とする(注3)。


原価率=   (期首商品棚卸高+当期商品仕入高)÷
    (期首商品棚卸高+当期商品仕入高+値入高+値上高ー値下高)

2.売価還元低価法

2 売価還元低価法 税法との関連 注3に戻る 注14に戻る
  本意見書の第一、二、4に示した原価率の算式における分母から値下額および値下取消額を除外することによって計算した原価率を用いる売価還元法は、低価基準に属する評価方法として、これを売価還元低価法となづける。売価還元法を採用する企業が低価評価の目的を達するにはこの方法によることが是認されている。

連続意見書第四 棚卸資産の評価について三 低価基準2より

原価率 =  (期首商品棚卸高+当期商品仕入高)÷
    (期首商品棚卸高+当期商品仕入高+値入高+値上高)

上記2点の違いは原価率に値下高を含むかどうかです。また、値上高及び値下高には値上取消高、値下取消高を合わせた合計になります。

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