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ほしいものがなんでも揃う、北欧諸国のセカンドハンドショップ。日本の古着屋さんやヴィンテージショップとはどう違う?

こんにちは、bokhelg(ボークヘリィ)です。
今日は、この夏に中のふたりが訪れたスウェーデンとノルウェーを含む北欧諸国に根付いている文化「セカンドハンドショップ」についてご紹介します。



セカンドハンドショップとは?

セカンドハンドショップとは、英語の secondhand「中古の」からきていて、中古品を取り扱うお店のことです。日本で中古品の販売というと「古着屋さん」や、家具・雑貨などの「ヴィンテージショップ」、「古本屋さん」、「古物商」などが思いつくかもしれません。しかし、北欧諸国の「セカンドハンドショップ」はそれのどれとも違い、服、家具、食器、家電、インテリア雑貨、布地、本、、、、、など、幅広くありとあらゆるものが置いてあり、日常的に、とても気軽に人々が利用しているのです。

もちろん、その中で何かに特化したお店もありますが、たとえば洋服に特化したお店なら、日本で古着屋さんと聞いて思い浮かぶ「おしゃれな人がヴィンテージ品を探しに行くお店」とは異なり、「街の人たちが日常着を気軽に探しに行くお店」という感じです。

少し大きな都市になると、数えられないほどたくさんのセカンドハンドショップがあったりしますし、どれだけ小さな町でも、必ず一つはあると言っても過言ではないほど。セカンドハンドショップは、北欧諸国の人々の生活に根付いている文化なのです。

Mがトロンハイムで滞在中何度も通ったお店。ここは、家具や食器、インテリアがたくさん置いてありました。

中の人は、セカンドハンド巡りをしてお気に入りを見つけて買って帰るのを、北欧諸国を訪れる際の楽しみのひとつにしています。

こういう雑多に積まれている中から面白いものを探すのも楽しいところ。ノルウェーのお店で見つけた、スウェーデンの伝統工芸品「ダーラナホース」の大きな頭です。誰がなぜ頭だけ持っていたのかしら…と前の所有者に思いを馳せるのも楽しみ方のひとつです。
食器は、同じ柄のシリーズでお店に揃っていることも多くあります!重量の関係で買って帰るのを諦めたものがたくさん…。無念…。


中の人が見つけてきたお気に入りを紹介します

ここからは、中の人 M がノルウェーのセカンドハンドで発掘してきたお気に入りをご紹介します。

陶器の入れ物
ノルウェー語で「バター」と書かれた蓋付きの陶器。昔は、バターの保存容器として使われていたのでしょう。玄関の小物入れに使っています。

落ち着いた色合いと、ノルウェー語の"SMØR"の文字がお気に入りポイント。

ノルウェーの伝統柄セーター
こちらは ”Malius” という人の名前のついた、ノルウェーの伝統柄ニット。とっても暖かくて、秋が到来したノルウェーでのハイキングでも活躍した、お気に入りです。
これは既製品ですが、手編みの伝統柄ニットもたくさん売っていました。

首と肩に入っている赤のラインもお気に入り!

陶器のお皿
どうしても食器が欲しくて…重いけど嵩張らないお皿をチョイスしました。
食器は、日本でも有名なフィンランドのメーカー、ARABIAやスウェーデンのメーカー、Rörstrand などもたくさん見かけましたが、日本では見たことがないノルウェーのローカルメーカーのものもたくさん。
ノルウェーメーカーの食器は落ち着いた色味のものが多く、日本では「北欧」とまとめられがちな各国の文化の違いを垣間見た気がしました。

せっかくなので、ノルウェーのもの(下:緑縁)を自分用に。ARABIAのお皿(上:青縁)は母へのお土産に。

手工芸品の飾りスプーン
手作業で木を削り出し、絵付けされているハンドメイド品。裏に制作者の名前が書いてあるのもまた素敵です。お部屋の飾りに購入しました。

赤い色で塗られている工芸品をたくさん見かけました。ノルウェーの伝統的な色づかいのようです。かわいい…!

既製品の中古品だけでなく、ハンドメイドのものを比較的お手軽な値段でたくさん見つけられるのも、ノルウェーやスウェーデンのセカンドハンドショップの楽しいところです。
手編みの伝統柄ニットウェアや、伝統柄がクロスステッチされているテーブルクロスなど、、、旅行に行けば必ず伝統工芸品をお土産に買う私にとっては、天国のような空間でした。


セカンドハンドショップが根付いている背景にあるものは?

では、なぜ北欧諸国では、これほどまでにセカンドハンドショップがたくさんあるのでしょうか?
その背景には大きくふたつの考えがあるのではないかと言われています。

  • 古い良いものを代々受け継ぐ文化があること

  • 環境負荷を減らすため、新しいものではなく中古品を買うという考えが根付いていること

元々ハンドメイドや工芸が盛んで、ものに手をかけて、時には手を加えながら長く大切に使う文化が根付いており、代々家具や食器などを受け継ぐ慣習がありました。
また、近年の環境問題を引き起こす原因のひとつとなっている物の大量消費に疑問を持ち、自身の生活から環境負荷を減らすことを考えて中古品を購入する人がたくさんいるのです。
伝統的な文化と近年の環境問題が融合し、セカンドハンドショップを中心としたリユース文化が人々の生活に根付いているのはとても興味深い現象に感じられます。


リユースサイクルがまわる仕組みとは?

さて、これだけのお店があるということは、中古品がたくさん回収されているということなのですが、このリユースのサイクルはどのようになっているのでしょうか。

多くのセカンドハンドショップは、販売だけでなく、買取・回収も行っています
「要らなくなったものをお店に持ち込んで査定してもらう」という方法が一般的です。

一部のお店では、日本の「古着屋さん」や「ヴィンテージショップ」と近い「外国に買い付けに行ったこだわりの商品をおいている」というところもありますが、かなり少数派な印象です。
セカンドハンドが定着している背景を考えると、あくまで国内や地域の中で使える物のサイクルを回す、というところに軸をおいているお店が多いように思います。

一方で、全国展開しているようなチェーン店になると、路上に不要品の回収ボックスをおいていることもあります。
かなりお店から離れたところでもボックスを発見することがあり、不要品リユースのサイクルに参加するハードルがかなり低いことが特徴だと感じます。

ノルウェーのセカンドハンドチェーン店 FRETEX の回収ボックス。ここで回収しているのは服、カーテンなどの布製品と、靴。お店のすぐ外にあり、お店に持ち込んで店員さんとコミュニケーションを取らなくても、回収にだせるようになっていました。
お店から車で15分ほど離れた住宅街にも回収ボックスがありました。


さて、今回は北欧諸国に根付く文化「セカンドハンドショップ」をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
皆さんも、ノルウェーやスウェーデンを含む北欧諸国に旅行される際は、ぜひセカンドハンドショップをのぞいてみてください!

それではまた、
Vi ses!
M

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