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Heidi53 "echo"/Heidi53"none"のメモ

 作品は、全く異なる数多くのシーンをつないで、最終的には一つの「場所」で行われたドキュメントとして、また、現在と過去を繋ぐ媒体として完成させました。時を経たものは、何もしなくても「物語」を持っています。その「物語」はこちらの姿を映し出します。

 そこで、サブタイトルの ”none"「何もないこと、無」と、”echo”「反響、反射して繰り返される」という、二つの軸を作りました。この二つは、歴史の延長上に今生きている人間と、それを眺めていた、物言わぬ歴史の残した「場所」との関係を持って、人は生きているということ、そしてこの作品もまた、サブタイトルのように、いずれは無に帰し、人の記憶の中で一瞬反射するに過ぎないものだということを、物語る作品にしました。


©️松井智惠

2022年3月1日改訂 

初出:龍野アートプロジェクト2018 in クラクフ/混成軌道展カタログ


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