読書 2021.1
「言葉の誕生を科学する」小川祥子 岡ノ谷一夫著
テーマ:解明できない、ヒトの言葉の起源を探る
○「博士を愛した数式」著者の小説家小川祥子と、脳科学や生物言語を研究する東大大学院教授の岡ノ谷一夫の対談形式の作品。
小川洋子は小説家の視点で、岡ノ谷一夫は生物の鳴き声研究の視点でそれぞれの思いを語り合う。
そもそも未だにヒトが言葉を話し始めた起源は解明されていない。
岡ノ谷一夫は歌うことや音楽から言葉が始まったと仮説を立てて研究している。
・歌や鳴き声で会話する動物
ハダカデバネズミ 鳴き声で社会性を維持する
鳥 さえずりで求愛、ナワバリ、危険を知らせたりする
クジラ ナワバリ、危険を知らせる
・ヒト以外に今後言葉が話せるようになるのは?
言葉を話すためには、呼吸の制御が必要
呼吸の制御ができるのは、なんと、ヒト、鳥、クジラのみ!
・歌は生殖のためにある?
鳥は複雑な歌を歌うために神経系を脳の中に維持している。
つまり、栄養をちゃんと摂っているし他の動物からも襲われる危険を冒してでも歌う能力がある、とアピールしている。
ヒトは天敵がいなくなり、強さのアピールよりも美意識で存在をアピールする様になったと思われる。
・赤ちゃんは産声で親を操作する
・ヒトが創り出した神の存在の意味
動物は死を感じた時にその存在を恐れて、逃避する。
ヒトはそれを言葉を使って「生命は有限である」という概念を明確化する
→生命は終わるが、その先に無限とも繋がっていると思いたい。
→神の存在を創る
更にこの妄想を言葉で全人類に共有することで、社会を安定化する。
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