こんにちは末裔

ようやく弱さを懐胎しつつある
きっとすべてがどうでもよくなってゆく私たち
の気配はまさぐられて
皆目救いようのない肉を焼きながら
飯の種がすうっと味を失い
自然な身は寝室へと運ばれてゆく
吐き気のあいだになんらかの気やすめを見出したものは
遊具のゆれに取り残されていたくて
生き死にというのは無性なのだ

あまりに無闇に眠っている
手を握るだけの休暇には
一身上のコードを類推する暇はなく
無線の声は信用に値しているから
きみの臍の緒を引きちぎってやりたい
白い液体をぽとぽとと
花びらにふちどられた柩に滴らし
——か弱きものたちは
繁栄する

芽生えの朝が降って
何度でも思い出してしまう
命題はおかしい
不束ならば好きなだけ
脱臼するといい

どうでもいい話で腹を捩り
局部麻酔がきみを拐い
いつの間にか破水している
余罪は容赦がないので
はなくぶよぶよで
裏腹を抱えなくては
いたたまれない雰囲気のために
顔はゆるみきって

瓶詰めの卵液
あるときは黄泉のように薄らぎ
またあるときは波のように気候の
なだらかなところを梳いている
バターを割って火にかけると
三角の桁が踊る(屋根は落ちる)
ふかふかの私情は未曾有のようで
その名残からは
くすぶる藁のにおいがする
蓋をしめきっているように見えるのは
独白のようにやわらかい腹部を
なでなでしているからであり(火は通らない)

よく気を失う
辞するように欲情し
混ぜるように歯を磨きながら
形而上に棲息する人たちが笑っている
「どうかお元気で。ところできみはそこにいるの、ほんとうに?」

光にふちどられているきみが
おれの一線を越え続けているのを
黙って見ている
生み出されてすぐ満たされて
うるさくなってごらん
きっとすべてがどうでもよくなってゆく私たち
は凡そまるめこまれてしまって今日もまた
救いようのない肉を焼いて
ふがいなく泣いて過ごして

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