反層

きもちいい哺乳
腕から指へ 欠如した
線分が口に放り込まれる
ほじくったベーグルの芯から
ぽろぽろ出てくる境界
(正体のない)
眷族たちは何も求めず
ただなめらかに旋律する

おそろいの太陽
瞼を塩水に浸す 挨拶の技法
汚れをみつめる森の気持ちで
やさしい動物が歩く
よろしくね 界隈

われもの 血漿が煮えたぎる音
わくわくする なぜって
箱の中身が生きているふりをしたんだ
うまれたての胞子が
からっぽの身頃を包み込む
誰にも見つからずにすむように

ふれあう歯車
かすかな殺意に耳を欹て
存在を 中毒になるまで
混ぜてみよう
わからなくてもいいからね
許さなくていいから——

おもいきり遊んだら
水をやる 日の傾きにそって
落屑 ふかふかの土になった
記憶にない半生と
顰められた肖像

ありふれた静物は
償い贖うために
音をたてるのをやめる
無邪気な整列 崇拝して?
いまにも崩れようとする累々の
情緒 心配はいらない
影の落ち方ぐらいは一緒だよ

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