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絵空

霧のような孤独は
網に捕らえられ波を奪われる
どこからが自分かがわからない
朝のようにぶつかる左右の眼球が
青い空を象徴してゆく

水の切れ目
呼吸はなく白と藍の線を
分割する安らぎの音がする
愛を信仰する人たちの村落
神聖がなく、狂気もまたない

星々は嘘を囁く
永遠を誓い、時代を遮りつづける
蓄えが後ろめたさのうちでしぼむ
膨らみは夢のかたちをして
嵐を静かに待つ

空間の低さに呼応して
我々の心はなにを恥じらう
やさしさの魔力を帯びてもなお
襞状の岩盤でくすぶっていた
ひらかれた太陽が見えるか

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