見出し画像

陶片フリークのたわごと1

仕事の打ち合わせ帰りに寄った原宿のアンティークショップのショーウィンドウに、わたしの目を惹く陶片を発見。それは、スコタイ王朝時代(13〜15世紀)のスワンカローク窯(邦名:スンコロク)で焼かれた容器の蓋でした。
粗めな土と素朴な文様に惹かれて、早速購入しました。
左の蓋についているのは、果物の女王さまとタイ人が呼ぶ、マンゴスチンมังคุดのヘタだと思います。

スコタイ王朝はタイ人にとって初の独立国家であり、陶磁器産業が最も栄えた時代でした。セラドン(青磁)も有名ですが、こちらの写真のような茶や黒の鉄絵の意匠もよく知られています。

その後王朝はアユタヤへと移ります。
アユタヤ王朝でもこのような陶磁器は焼かれたと思いますが、アユタヤのドラマ、บุพเพสันนิวาส(運命の二人)では、いわゆる青花(染付)の陶磁器が食卓に登場しています。貿易が盛んになり、海外の影響をより受けた時代に、スコタイの窯で焼かれた素朴な陶磁器がどう扱われたのかが気になります。

ショップオーナーによれば、現在タイ政府は、商業目的での歴史的遺産の持ち出しを禁じているとのこと。
当然国内のタイ陶磁器は貴重品となります。
景徳鎮の陶片と比較すると、その価値を低く見る方もいるかもしれませんが、ニッチな世界を愛するわたしのような人間にとっては、スンコロクの陶片はダイアモンドより高価です。

それでは、สวัสดีค่ะ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?