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すばらしい空の世界 【034 今治→瀬戸田→尾道】

普通に新幹線を使えば『こだま』で行っても100分程度で到着出来る場所に、敢えて12時間以上かけて向かうという話し…道中で、もしものことがあった場合のリスクはある。 ただその分、普段とは違う景色に出会える可能性もあるという話しを進めてゆきたい。

まず向かうのは、大阪南港…JR大阪駅付近より出発する場合は、Osaka Metro四つ橋線で本町へ…中央線に乗り換えコスモスクエアへ…南港ポートタウン線に乗り換えフェリーターミナル駅で下車する。 他社航路に乗り慣れている場合は、下車駅が異なるので注意したい。 四国開発フェリー(オレンジフェリー)の『おれんじ えひめ』が、ターミナルの建物の向こうで待ち構えている。

フェリーターミナル駅から、連絡通路を経由し建物へ。
カウンターまで距離があるので、余裕のある到着を。
乗船手続のカウンターは、1階にある。 翌朝の
連絡バスを申し込むと、整理券が発行される。
この日の大阪発は『おれんじ えひめ』…連絡通路を
抜けた後、愛媛・東予港までの8時間の旅が始まる。
別日程で撮影した『おれんじ えひめ』。 僚船の
『おれんじ おおさか』と、スケールは同じ。
船内に入ると、まるで豪華なホテルを思わせる空間。
天井には、椿の花をモチーフにした照明も。
上層階より、インフォメーションが見える構造。
初めて乗る時でも、迷わずたどり着ける。
インフォメーションで乗船記念に『御船印』を
購入すると、クリアファイルが付いてくる。
船内の案内板。 大部屋は無くシングルルーム並みの
個室が基本。 但し内鍵のみなので、貴重品には注意。
22時に出港…暫くの間、大阪南港周辺の夜景を。
ちなみに明石海峡大橋の通過は、23時15分頃。
展望浴室は、いつでも入れるのが嬉しい。
お風呂を先にするか…お食事を先にするか。
レストランの夜の営業は23時まで。 翌朝の朝食は
5時30分から。 連絡バスを利用するなら、遅刻厳禁!
日本酒の瓶がズラリと…左右の黒いカバーで隠されて
いるのは、硬貨を入れればお酒が出る装置らしい。
レストランは用意された料理をピックアップする
カフェテリア方式。 色々あるので、選択に迷う。
一番のオススメは『宇和島鯛めし』。 炊き込みご飯
では無く、刺身の付いた玉子かけご飯といったところ。
名物のじゃこ天を揚げた『じゃこカツ』も、カウンターで
オーダー。 じゃこ天そのものに、ボリュームがある。
最低等級でもシングルルームという、豪華な客室
ラインナップ。 『おれんじ えひめ』は、赤が基調。
朝食で和食を希望する場合、事前の予約が必要。
洋食なら、当日レストランでのオーダーが可能。
朝食の後ゆっくりしたいところだが…午前6時に
東予港に到着。 連絡バス乗り場へ、早々に移動。
連絡バスは、新居浜方面→今治方面→松山方面の順に
待機。 行き先を確認し、乗り間違いの無い様に。

ちなみに松山方面の連絡バスは、大人片道1,250円…こちらはwebまたは電話で船室を予約するとき、同時に申し込む必要がある。 ちなみに出発は、3方面とも6時20分の出発。 そのあと7時出発の壬生川駅ゆき直行の連絡バスもある。
今回の最終目的地は尾道なので、松山に出る必要は無い。 連絡バスで今治駅前に向かい、福山駅前ゆきの高速バスに乗り換え…『しまなみ海道』の途中にある生口島(いくちじま)へ。

7時03分に、今治駅に到着。 福山ゆきの高速バスに
乗り換える時間内に、お手洗いは済ませておきたい。
『しまなみ海道』の名の通り、車窓には瀬戸内海と
島々が広がる。 橋の形状も併せてチェックしたい。
大三島を過ぎ多々羅大橋を渡ると、広島県との県境。
いよいよ目的地の一つ、生口島に差し掛かる。
瀬戸田バスストップに到着。 瀬戸田港までは
かなりの距離があるので、島内を走る路線バスで移動。
瀬戸田バスストップを経由する路線バスは、10時10分
まで無い。 急ぐなら『御寺東郷』バス停へ移動。
路線バスからの車窓。 海沿いを走る区間もある。
穏やかな瀬戸内海を行き交う船も、見えたりする。
瀬戸田港バス停より3分程歩くと、旅客待合所が有る。
手前のベンチは、特産のレモンをモチーフにしている。
瀬戸田港と耕三寺との間の商店街。 途中には瀬戸田で
採れたレモンを使った、料理や飲み物を扱うお店がある。
港から10分程歩いた耕三寺のすぐ近くにある『しまなみ
ドルチェ』へ。 瀬戸田レモンのシャーベットを調達。
折角なので、瀬戸田レモンの『スパークリング
フローズン』もオーダー。 ベンチでしばしの休息。

瀬戸田から尾道までは、船で移動する。 後で気が付いたことだが…『しまなみドルチェ』の店舗は、福山駅近くのデパートの地下にもある。
瀬戸田で降りずにそのまま福山まで向かうという方法もあった。 ただ瀬戸田港の近くの商店街など、生口島ならではの情景を見て回るのが今回の目的である。 もっと言ってしまえば『しまなみドルチェ』の主要な商品は、通信販売という手段もある。 コストを重視するのであれば現地には行かず、直接通信販売を利用するのが妥当かもしれない。
瀬戸田港に戻り、尾道までは船で移動する。 その乗客の殆どは、観光客では無く地元の方。 普段使用している自転車を船に載せて移動する方もいる。

瀬戸田港からは、三原ゆきが12往復と尾道ゆきが6往復。
三原ゆきは、土生商船の『シーホーク』が担当。
尾道ゆきは、瀬戸内クルージングの担当。 この日は
黄色のボディで分かりやすい『シトラス』の出番。
『シトラス』の座席は、進行方向向かって左側が
3人掛け…右側が2人掛け。 定員は64名。
瀬戸田港を出発。 島と島との間を進んでゆく。 途中
『佐木島須ノ上』や『因島重井東』などを経由する。
尾道は『造船のまち』…市内には20社の造船所があり、
市の製造業のおよそ30%の売上規模を誇る。
瀬戸田港よりおよそ40分で、尾道港に到着。 国道2号
を挟んで向かいにJR尾道駅とバス乗り場がある。
隣りには、向島ゆきの渡船乗り場がある。 大人片道
100円・自転車1台10円…通勤や通学での利用も多い。

尾道は『坂のまち』でもあり、『映画のまち』でもある。 ロープウェイで見晴らしの良い場所に行ったり、映画のロケ地めぐりをしたいところではあるが…真昼の気温は、体温並みの36℃近くまで上がっていた。 街歩きに適した時季に、改めて計画したい。

1946年より続く尾道本通り商店街は、全長1.2km…
エリアごとに5つの商店街で構成されている。
以前は銭湯であった建物をリノベーションし、
『まち中華』として営業を始めた店舗もある。
『センター街』の東側に、尾道郵便局がある。 窓口で
申告すれば、風景印を押して差し出すことも出来る。

郵便局より商店街を経由しJR尾道駅に向かっていると、油絵などに取り組む高校生が多数。
毎年夏に実施されている『尾道を描く』写生大会(広島県高等学校美術連盟の行事)に参加している学生が、商店街から見える風景や店舗などを自分で決めた場所で思い思いに描いている。
この時代、この時期にしか残せないもの…何十年か経った後に見返すと、何か感じとるものがあるのかもしれない。

◆オレンジフェリーの『大阪南港〜東予』航路を表舞台に例えるなら、影武者の様な存在の『神戸六甲〜新居浜』航路をこちらでご紹介します。 
担当するのは『おれんじ ホープ』のみ…僚船はありません。  通常ダイヤは次のとおりです。 
       新居浜 16:20 → 神戸六甲 23:40
       神戸六甲 01:20 →新居浜 08:20
(大阪〜東予航路のどちらかの船が定期検査に入る場合、概ね新居浜14時台発/神戸六甲23時台発の臨時ダイヤに変更となります。)

神戸〜新居浜航路は、webで『貨物主体航路』と紹介されております。 大阪〜東予航路と同じイメージで考えてしまうと、全然違うと思われることでしょう。 『おれんじ ホープ』の利用を計画する際には、以下の点に注意が必要です。
・鉄道駅からの連絡バスが無い。(徒歩だとかなり歩く。 タクシーだと、コスパが疑問)
・webからの予約は出来ない。
・決済は現金のみ(クレジットカード不可)
・船内のレストランは、営業休止中

詳しくは『おれんじ ホープ』を紹介する動画が多数存在しますので、視聴された後に判断して頂きたいと思います。
もしかすると、その時にしか出来ない貴重な体験が待っているかもしれません。

参考文献等:                                                                      
四国開発フェリー株式会社 公式ホームページ     
株式会社瀬戸内クルージング 公式ホームページ              
広島県高等学校美術連盟 公式ホームページ                     
『瀬戸内しまなみ海道』                                                  
(Dive! Hiroshima  ひろしま公式観光サイト)
『尾道の造船業の姿』                                                      
(尾道商業会議所記念館  第15回企画展       
「海事都市企画展『てっぱん』・造船のまち尾道」)
『尾道〜向島のフェリー』                                               
(尾道まちかど広報室)  
『航路と料金のご案内』                                                  
(尾道市 公式ホームページ)
『尾道本通り まち歩きMAP』                                    
(尾道本通り商店街連合会)

          


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