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ダンサー目線で見た浅田真央とキムヨナ

今回はフィギュアスケートの浅田真央さんとキムヨナさんの違いについてお話ししようと思います。

浅田真央さんとキムヨナさんは良きライバルと知られていましたが、私の中でお二人の差はこんなところにありました。

このお二人は表現力に大きな差ありますね。ダンスも表現力とか身体の表情というのはとても重要で、しなやかさやキレ、ゆとりやきめ細かさ、躍動感などがそれにあたりますが、それは身体がどれだけ自由に動いているかということになります。

そのためには出来るだけ余計な力が抜けていた方がいい。

もちろんお二人とも力は抜けています。しかし、お二人を比べてしまうと、力が抜けて自由に動いている量に圧倒的な差があります。

まずはお二人の身体をどう見ているのか並べて解説します。(人形の可動域に限界がありますので分かりやすくするために少し大げさに作っています)

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踊っている時の身体のイメージです。左が浅田真央さんで右がキムヨナさんです。並べてみると分かりやすいと思います。

特徴が出ているのは肩甲骨から肩です。見た目にはほとんど分からないかもしれませんが、踊っている時、浅田さんは前肩となって背中が平らに見えます。一方キムヨナさんは骨盤から背中の緊張もなく、肩甲骨周辺も自由に動きます。骨盤から背中に余計な力が入らず上半身が自由に動くというのはキムヨナさんにアドバンテージがあります。

ダンサーや身体の表現者は、肩甲骨の自由度や骨盤周辺の柔らかさはとても重要です。しかし、浅田さんは肩が前に入り、アゴを引いたような姿勢になり動きに制限が出てしまいます。

腕のみ使っている浅田さんに対して、キムヨナさんは身体全体が動きます。骨盤周辺の柔らかさが全身に伝わるといった感じです。しかもキムヨナさんの方が2センチほど身長が高いということもあり表現力はさらに大きくなります。

先ほども言いましたが、表現力というのは身体の動きそのものですので自由自在に動けた方が表現力は上がり、動いている範囲が小さいと表現力は下がります。

ダンサー目線で見ると、背中があまり動かず腕だけ動かしている浅田真央さんと、骨盤周辺から全身に動きが伝わっているような動き方をしているキムヨナさんとでは、枝とムチくらいの違いがあります。もちろんムチのような身体の使い方がいいわけです。

小手先で動いているのと身体の中から動くのでは、見た目の差はそこまで分かる人は少ないかもしれませんが、本能の目はそこを見逃しません。

なので多くの人には「なんか分からないけどキムヨナさん凄い!」となるわけです。腕だけ動かしている浅田さんはいくら振付を変えようと衣裳を変えようと、全身をムチのように使って踊るキムヨナさんを超えることは難しいということになります。

あくまでダンサー目線ということなのでスケーターからは違う評価かもしれませんが、ダンサーから見るとそのように見えます。

ですが、一つ言えるのは、ここまで動いている部分に差があったにもかかわらず、僅差の差で勝負していた浅田さんの身体能力には驚かされます。

もし、浅田真央さんがキムヨナさんのように全身をムチのように使い踊っていたら結果がどうだったのか見てみたかったです。





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