「時間をはずした日」の回向
チベット仏教やボン教の法話に参加すると、最後に必ず回向の祈りを唱える機会が設けられる。「回向(えこう)」とは、「自ら修めた善行の功徳が、他に巡り及ぶのを期すること」を意味するので、法話に参加することで積まれた功徳が、他の存在に巡るよう祈る訳だ。
その意味については理解していたつもりだったが、ボン教の修行者で、経典の邦訳やゾクチェン瞑想の普及にも尽力されている友人・箱寺孝彦さんの『ゾクチェン瞑想マニュアル』の中で、「回向すれば積んだ功徳は失われない」というニュアンスの文章を目