見出し画像

今日を記そう。今日だけは 231225

今日は一級建築士の結果発表だ。
いやそうだった。

そう、あれは9時半に発表された。
私は令和4年の受験票を持ってパソコンの画面に向き合う。
受験番号は令和4年も5年も確か一緒だ。
そんなことを考えながらパソコンと睨めっこだ。
9時35分になってもなかなか繋がらない。やっぱりみんな気になるようだ。
私だって同じである。
やっと画面が更新された頃には9時半から20分程度経っていた。

画面を進み合格者発表、愛知県のPDFを開く。
4C-60899Pの受験番号がない、、、
いややっぱり僕の人生こんなものか、、

だが諦めきれない、もう一度愛知県のPDFを開く。
今度は番号を縦に追わず横に追う。
やはり私の受験番号はない。

来年は休もう、何もしたくない。そんな考えが頭をよぎる。
私は何を誤ったのだ。試験元から出た解答例をみる。
主要な室、法令違反、ゾーニングミス、どれもゆっくり眺める。
唯一不安だった北側アプローチも解答例①にて問題なく使われていた、
ふう、と安堵のため息が出るとともに、私は何が誤っていたのか、そんなことを考えていると既に時間は11時半。仕事が全然手につかない。
今日の午前は何をしていたのか全く覚えていない。
お昼になると、地球の重力が何倍にもなって私を襲う。(この重力の名前は別名社会ともいう。)
私はまた、何もできなかった、ゴミ人間、生きてる価値ない(自殺しようとは思わなかったが)、二級建築士を持っている後輩の子よりも使えないゴミ(私は二級を持っていないから、、、そして彼女らを見下しているわけではない。実際に私よりも優秀。。いやそれはそれで寂しい。)来年も嫌なこと考えながら生活しないといけないのか、もはや二級受けた方がいいのか、こんなに何もできない私に一級を取る資格などない。(一級建築士という資格を取るのにも資格いるんかいってツッコミが今ならできる。)そんな様々なことが頭をよぎる。

あまりにも重力が強いから今日のお昼はすぐに眠りについた。気づいたら12時57分いつもより熟睡した、そんでもってよだれはいつもの4倍は出ていた。

重力が少しだけ弱まった気がする。

午後の業務が始まる。手がつかないと言っても何かしないと仕事は進まない。
まずは図面の確認をする。なんとか順調だ。梁の掛け方の別パターンを想定したが、アップされていた梁の掛け方やはりベストだ。
そう思いチェックを部長に投げる。(本当に投げたわけではない。)私は乱暴者であるが、それはしていないことは信じてほしい。

チェックはすすすーと進み終わったので別の業務へ、主に雑務だ。
雑務を終えた私はSP(いわゆるスペシャルなプランニングだ)に取り掛かる。
今日はなんかいい感じのプランができたぞ。

モデルに起こしてみるとなんとなく想像通りのものができた。
モデルを起こしたりプランニングで面白いのは最初の自分の想像と必ずしも一致することはないところだと思う。

なんだかんだプランニング、モデリングをしていると時間がミルミル進んでいくではないか!!(実際に見ていたわけではないので本当にミルミルうちにだったかは定かではない、誰かが時計を動かした可能性もある。僕のPCの時計も動かされた可能性だってあるのだー。いや、ない。)

そんなこんなで帰りの時間だ。また絶望が私を襲う。
私は無能だ。クズ人間だ。ゴミだ。そんな言葉と共に重力もだんだん強まっていく。(今更だがここに記載のある重力は本当に強くなっていると感じるともに私の場合は心臓が若干苦しくなる。)

重たい足取りで車へ向かう。
今日車に忘れた携帯を確認する。
なんか通知が多い。まるで僕が受かっていてそれを祝ってくれてるんじゃないかと思うくらい多い。

そこで同じグループの同じクラスの男の子たちがみんな受かったねなんて言ってる。「いや俺受かってないよ、とか」講師の人からは「やったね」と私を嘲笑うかのようなラインが入っていた。

「やったね」ってどういうことか!信じられない程の怒りが込み上げてくると共に、自分自身への絶望、その二つが同時に押し寄せてくる。

やったね、じゃなくてやってしまったね、、とかだろとか考えながら車でうなだれていた。

「ん?」やっぱりよく考えると講師の人そんな酷いこと言う?と新たに少しだけ明るい部分を持った自分が考え直す。(※私は一人しかいません。)

改めて自分の受験番号を確認する。
すると別の番号が今年の受験番号だったのだ。

改めて、番号を探す。まるでプレゼントをもらった子供が焦ってプレゼントの紐を解いて包装紙を少しだけ雑に破るように。(あんま上手く例えられてないな、)
そんな感じでサッサッさっさとページを進める。4Gなので微妙に遅い。

繋がって再度愛知県のページを開くと私の番号がそこに、確実にそこにいた。
手に取れるほどの距離にもないし、スマホで見ているから同じ次元にもない。
だがそれは確実にそこにいた。

何度見てもそれがそこにいる。
気づいたら涙が出ていた。そして気づいたら、すぐ彼女に電話をかけていた。

そこで恥ずかしいくらい喜んだ(もしかしたらいつもこうなのかもしれないけど、今日は特段に喜んだ。彼女ももしかしたら泣いているんじゃないかと思うような声で少しばかり電話をした。)
とっても嬉しかった。私は自分が受かったことも嬉しいけど僕のことでこんなに喜んでくれる人がいることに対してとても嬉しかった。
お母さんにも、お父さんにも、おばあちゃんにも、親友にも連絡したかったのでいつもより短めに電話を切った。

お母さんに電話をかけたが繋がらなかったので、二番目に報告したのは父だ。5分くらい話した。たくさんすごいねと言ってくれた。父と電話でこんなこと、5分も話したことがなかったので嬉しかった。いっぱい喜んでくれているようにも感じた。ご飯の約束もした。

三番目は母だ。母もまるで自分のことのように喜んでくれた。
きっと泣いてくれていたんだと思う。
素敵な父と母を持った。決して何かに優れた夫婦ではないけれど二人は控えめでとっても優しい。それだけで十分すぎるくらいだ。

次に電話しようとしていたのはおばあちゃん。母にも電話してあげてと言われている。おばあちゃんもとっても優しい。なんてたって毎日僕のために祈り続けてくれていた。「試験に受かりますように」と。私は他人のためにこんな素敵な祈りを捧げられるのだろうか。1日も絶やさず毎日毎日祈り続けてくれていた。そんなおばあちゃんもとっても、とっても喜んでくれた。また会いに行った時は特大のハグをプレゼントしてあげよう。

それから親友たちには受かったことを報告したり、電話をくれる友達もいたり。
とても幸せだ。自分が何かを頑張ればみんな祝ってくれる。
祝ってくれるってことはみんなきっとどこかで応援してくれていたのだ。
ありがたい友達を持った。決して多くはないけれど素晴らしい友人たち。

最後にはなるが、続けることってすごいんだなーって改めて思った。
続けていればできるようになる、試験に合格だってできる。
私は人生の大きな目標としていた一級建築士になった。

父が二級を持っていたから、簡単に取れるだろうと昔は思っていたけど、
今なら父の凄さを十二分に語れる。資格だけじゃ語れないものもたくさんあるし。

まだまだ長い時間ある。これに満足せず、着実に一歩一歩進んでいきたい。
日々の中に勉強する習慣を取り入れられたらいいな。
いや取り入れよう!!!

来年は少しだけ旅行が多くなるかもしれないけど許してください。。

#今年のふり返り
#僕が一級建築士になれた日
#12/25
#一級建築士

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?