【アルメニア】エレバンからアララト山を眺める
ジョージアの首都・トビリシからミニバスに乗り、約6時間。
国境検問所を超え、アルメニアの首都・エレバンに着きます。
バックパックを背負ってバス停からホステルへ歩く途中、ふと顔を上げると遠くの山が目に飛び込んできました。
アララト山。大アララト山(標高5,137m)、小アララト山(標高3,896m)の二峰から成ります。
ノアの方舟が停まった場所として旧約聖書にも登場する、由緒のある山です。
この山は、伝統的にアルメニア人に愛されてきたようです。
アルメニアの神話や伝説の中に度々登場し、紙幣のデザインにも使われています。アララト山をあしらった商品も数多く、スーパーでも「Ararat」というビールを見かけました。
日本人にとっての富士山みたいな存在のようです。
しかしこの山があるのは、アルメニアではなく隣国トルコの中。
調べてみると、アルメニアとトルコは歴史的に犬猿の仲が続いているようです。第一次世界大戦中のオスマン帝国によるアルメニア人虐殺が禍根を残しており、これが「ジェノサイド」だったのかどうかに関して、今でも両国の主張が食い違っています。
そんな関係性なので、現在、アルメニアからトルコへ直接入国はできません。陸路で行く場合はジョージアを経由する必要があり、私もエレバンからトビリシにとんぼ返りすることに決めました。
また、アルメニアはもう一つの隣国アゼルバイジャンとの間にも紛争(ナゴルノ・カラバフ紛争)を抱えています。
私はジョージアの前にアゼルバイジャンに滞在していたため、アルメニアに入国する際、渡航目的や滞在先・日数、電話番号など細かく質問を受けました。問題なく入国はできましたが、検査官の目つきは非常に厳しかったです。
エレバンにある広場から続く階段(Cascade Complex)を登っていくと、エレバンの街並みとアララト山が一望できます。非常に美しい眺めです。
21世紀になっても争いを続ける人間を見て、アララト山は何を想うのだろう、とぼんやり考えながら、572段の階段を上りました。
【参考】
https://www.worldhistory.org/Mount_Ararat/
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2020/ISQ202020_031.html
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2020/ISQ202020_030.html
https://www.y-history.net/appendix/wh1301-059_1.html
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