見出し画像

夏休み

梅雨が明けた。
Bochu pain は、師匠に習って夏休みを取るパン屋。

手始めに初めての今年は息子の小学校の夏休み期間に合わせてみた。

この夏休み、ただ休むための期間ではない。

この休み期間でいかに「自分自身、そしてパン屋として高めていくか」がポイントとなってくる。

休んでいる間のほうが自分にも周りにも試されている、というわけだ。

もちろん、子どもが2人いるので( 小学校1年生and年少 )気楽に旅にでるわけにはいかない。夫は出張続きなので「子ども達を任せて私だけ〜」という環境ではないのである。なので、数日間かけての研修や修行…ではない夏休み。

では、何に時間を使うか。

まずは子どもたち。こう書くと、どこらへんが学びに繋がっているのか?と疑問に思う人は多いはず。しかし、子どもから学ぶことは無限にあるのだ。主に「感覚的観察力」そして「身体と心の仕組み」。

自分も子どもだった過去があれど、殆どの大人はその尊い「感覚」に寄り添えなくなっているものだ。もれなく私もその1人。子ども達と共に自然遊びや、色遊びなどをしていると、ふっとその感覚に舞い戻れる時がある。それは、とても感覚的で、しかしハッキリとした輪郭を持っている。

この感覚の戻しをシッカリと体感することは、パン屋として生地と対峙するときに有意義に働いてくる。菌と関わっていく感覚は、まるで山に入って川に足をつけて、空気を肺いっぱいに吸い込んでいるような…海に行き、裸足で砂浜を歩き、海の満引きを感じるような…そんな感覚に似ている。

毎回変わる生地への仕込み水の温度や量。
混ぜていくときの感覚は、私の手でしか分からない。 もちろん数字もカナリ大切にしているし、記録も録っている。

ほとんどのパン屋さんは手の感覚なんて考えていないだろう。ニーダー(捏ねる機械)が出来てからは数字が物を言う世界になったのだ。

しかし手捏ねで仕込んでいる私のようなパン屋は、いまだに最後は手の感覚で決める人が多いのではないだろうか。

触感だけでなく、様々な感覚を磨くことは必要不可欠な事なのだ。

と、いうことで。
まずは子どもたちとの時間を大切に。

そして2つめ。
粉の特徴・配合・粉ごとの種の味や育ち方・粉の挽き方・仕込み水の作り方・・・など。パン屋らしい研究に時間を割いている。

そして一大研修として。
宮城県村田町にある「麦小屋」さんでの研修を。一日だけだが、暑くて忙しい中、受け入れて頂けることに。ありがたい!!!!情報共有も兼ねて、本気で挑む所存。

夏休みが明ける頃から、続々と麦が届き始める予定。休み明けから始まる、いよいよ始まる「Bochu painらしいパン仕込み」!
農家さんが大切に育て上げた麦たちを、シッカリとパンにしていく。ついに時価のパン屋の始まり、となる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?