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〜訪問看護師として想う日々のあれこれ。訪問看護師たねあかし〜

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長年、訪問看護師として働いてきた、私自身の仕事観、考え方、私を支えるものなどの話です。
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#仕事

私にできること。

訪問看護ステーションの事務所内でスタッフ同士の濃厚接触を避ける為、事業所の滞在は最小限にし、直行直帰・自宅待機・業務SNSでのやり取りという業務体制を始めてから、もう2ヶ月が経つ。 看護師による訪問看護が必要な方は、「新型肺炎のため利用休止」と言う訳にいかず、私たちは訪問看護を続けている。 しかし、新型肺炎の猛威は一向に衰えない。 連日、メディアから流れてくる状況は厳しさを増すばかりだ。 リーダーから報告があった。 事務所でスタッフがリーダーに向い、 「私が訪問に行っていい

今日の「訪問看護管理者研修」〆の言葉。経営管理やらマネジメント、SWOT分析などあったけど、結局はこういうことだ。個人でも会社でも、時代や環境に合わせ、変化できたものが残っていくのかな。

「裏切られた」という感情は好きではない

今日は散々な日だった。 「なんで」「どうして」「私は信頼していたのに」 「あんなにあなたの事を守り、擁護してきたのに」 「あなたも私の事を信頼してくれていると思っていたのに」 「ずっと嘘をつかれていたんだ」 「私に相談してくれなかった」 「あの時のあの言葉は本心ではなっかたのか」 相手に対する疑念ばかりが湧いてきた。 仕事上の関わりとはいえ、いや、仕事上の関わりだからこそ、同じ目標と価値観に向かって、この1年彼女と一緒にやってきたはずだった。 彼女に対して「確信」に近いも

「生きることは、自分が大切だと思うことを、大切だと言い続ける闘い」

昨日、東京駅で電車までの時間があり、たまたま寄った本屋さんで、たまたま手にした「ヤマザキマリ」さんの本の文中の言葉。「テルマエ・ロマエ」の作者と言えばご存知の方もあるだろう。 ・・・・・・・・・・・・・ 3月、そして4月に入り、ずっと私はいつも以上に忙しかった。スタッフからいろいろな相談を受け個々への対応、業務調整や改善で問題が解消する事への対応、年度末の役所との会議、新入社の方のお迎え準備やオリエンテーション、各事業所周り。夏に向けての看護師さんの採用計画の検討や採用面

「いや、そういうことでは、ないんですよ。」

当社は訪問看護ステーションだけれど、看護師のみの事業所ではなく、理学療法士・作業療法士・言語療法士などの他職種と言われるスタッフが大勢所属している。しかも、看護師の数より多い。 私は、本部と2つのサテライト(企業でいうところの営業所のようなもの)全体の看護部門の副管理者だけれど、それぞれの事業所には責任者がいる。 サテライトは数年前、リハビリ部門が先行して開設して訪問業務を軌道に乗せてきた。看護部門は本格的に始動して1年になる。 1年前、看護部門開設当初。サテライト責任者の

訪問看護師が足りない。

先日、行政の福祉課と市内の訪問看護ステーションの意見交換会で、「訪問看護師の量的拡大」について、それぞれの訪問看護ステーションさんの実情を伺う機会があった。 要するに 「おたくの事業所は、訪問看護師が足りてますか?」 「訪問看護の広報や事業所の案内、看護師の募集はどうしていますか?」 という事だ。 市内ステーション15ヵ所ほどの管理者クラスの、私よりも人生の先輩の方々が勢揃いの中、各ステーションの実情は3つぐらいのパターンに分かれた。 ○チラシ等で募集しても訪問看

これからのひと

私が結婚後、夫の転勤の為に名古屋へ転居し、新しい職場で訪問看護師として勤務をしていた頃の話です。 ある日、私より随分年上の介護士のTさんがほほ笑みながら、 「あなたを見ていると、 『これからのひと』 だなあって思うわ!楽しみねえ。」 浮かない顔の私に向かってそう言われました。 初めての妊娠がわかり、うれしさよりは「これから訪問看護の仕事をどうしよう。仕事を続けられるのか。」 という不安ばかりで、慣れない体調にも四苦八苦しながら仕事をしていた時、Tさんが私にかけて

くやし涙

訪問看護部門の中でも、あまり感情を表に出さず、冷静に淡々と仕事をこなすKさんが事務所に戻ってきたとき、珍しく涙をためていました。 どうやら悲しいのではなく、くやし涙のようです。 主治医の先生とこんなやり取りがあったようです。 彼女の受け持ちの利用者さんは微熱が続いており、経過観察していたのですが、血液検査の結果炎症反応が悪化していました。 ご家族も微熱が続いている事、検査結果が悪くなっている事、 「このままでは身体が弱ってしまうのではないか」と心配をされていました。

背中を押すということ

エレベーターを降りると、エレベーターホールの鏡に白衣姿の私が写っていました。 自分の姿を見ながら深呼吸して、アポなしで総婦長室に向かいました。 私は総婦長に向かって、 「私は訪問看護を目指してこの病院に就職しました。病院の取り決め通り、病棟経験も積みましたので、来季からは訪問看護科への配属をお願いします。そのためにこの病院に就職しましたので、それがかなわないなら、私は退職します。」と一気に喋りました。 総婦長は「あなたの気持ちはよくわかりました。」と一言。 私が総合