やかたで暮らせば;おもむろに、書き始めてみる。
やかたは、京都の北の方、しずかな住宅地に突如現れる。
やかたは、可愛らしい見た目をしている。
低めの2階建て。瓦屋根。赤茶の小さめのタイル壁に窓が多めに配置され、以前はちゃんと和紙が貼ってあったのだろう障子戸が重なる。
正面扉の取手はアイアン製のリング。開閉するとその振動でガラスが揺れて木枠と当たってカタカタ音が鳴る。その両脇にはまんまるお月さまのような門灯がついていて、暖かく光る。
そんなやかたには、愉快な人たちが暮らしている。
わたしは自分が愉快な人間だとは思わな