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FC今治とボクと時々オカン(中)

 記念すべきnote第1号の続きは(下)と思わせておいて(中)やります!今回少し長いですが、素直な気持ちを書きました。我慢して完走してくださると有難いのですが・・・。
 FC今治とともに実質ぼっち旅を続けていた私に、素晴らしい旅仲間ができたというお話し。仲間に入れてもらったんですね。


1.ぼっちの時代

 まずはこの一文から。

 まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。小さなといえば、明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。
 産業といえば農業しかなく人材といえば三百年の間、読書階級であった旧士族しかなかった。明治維新によって、日本人ははじめて近代的な「国家」というものを持った。誰もが「国民」になった。
不慣れながら「国民」になった日本人たちは、日本史上の最初の体験者としてその新鮮さに昂揚した。この痛々しいばかりの昂揚がわからなければ、この段階の歴史はわからない。
 (司馬遼太郎原作 NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」より)

 この冒頭部分を何となくで構わないので、FC今治や今治市、そして市民サポーターの関係に置き換えてみてください。まさにこの痛々しいばかりの昂揚がわからないようだと、この時期のFC今治はわからないのです。
 おまえ、今治市民やサポーターに怒られろ(笑)!と言われそうですが、そうではなく、なんとFC今治サポーターのこの痛々しい昂揚はさらに激しく、そして人々を次々に繋いでいく最大の武器となってゆくのです。


2.つまらない葛藤、そして怒られた!

 2015年・2016年シーズン、そして2017年の夢スタジアム開場を経て2018年の途中まで基本的にぼっち観戦が続きます。FC今治は、そのリスタートが余りにもセンセーショナルだったため、四国リーグ所属ながら様々な媒体で報道されます。そのため露出の多い地元の有名サポータさんたちが存在していました。存在していたと感じたのは私の勝手なイメージもあるかもしれません(笑)。
 それまでサポーターの皆さんとSNSでは繋がっていましたが、その勝手なイメージが「今治のクラブ」から「今治のためのクラブ」という意識を潜在的に強くさせて、長くぼっち旅を続ける理由となります。

 このぼっち旅の最中、主にツイッター上で頻繁に一緒に応援しましょうと誘ってくれる方がいました。何回も何回も誘ってくれて。本当に嬉しかった。でも結局「今治市民でもないからなあ・・・」という思いから踏み切れないでいました。
 そしてある日、ツイッターで思わず呟いてしまいます!
「今治市民じゃないので・・・」
 
ここで遂に、あるサポーターさんからお怒りの返信を頂戴してしまいます。
「そんなの関係ないだろうが!」
 申し訳ありません訂正します。実は優しく、
「そんなの関係ないし意味も無いでしょ?」
 という感じで・・・。
 

3.ひとりぼっちの旅、最後の日の思い出

 2018年4月29日 ありがとうサービス.夢スタジアム
 FC今治×流経大ドラゴンズ龍ヶ崎戦
 
 突然訪れた、ぼっち旅最後の日です。この日は凄く良い天気でした。少し奮発してオカンを夢スタジアムのピクニックシートに招待して観戦しました。焼豚玉子飯と焼き鳥、そして自宅で作ったおむすびで楽しみました。最高の観戦でした。
 余談ですが当時、ピクニックシートは価格の高さゆえか利用している人を余り見かけませんでした。この日も私たちだけ。実はこの日、チケットを入場口で引き換えたあと、ピクニックシート担当のスタッフさんから「この区画が実は一番良く見えますよ」といって位置を変えて頂いたんです。この心遣いには今でも親子共々感謝しています。

 そしてこの試合の後、ツイッターのやり取りで急転直下、賑やかエリアへの「転属」が決まります。きっかけはやはり、いつも誘ってくれていた前述のサポーターさんです。勢いで賑やかエリア行きます!と言ってしまったのが大きな転機となります。
 そもそも夢スタジアムの賑やかエリアとはなにか?分かりやすく言うとこうです。


 ゴール裏からは少し外れているゴール裏


4.夢スタジアムの魔力 いざ賑やかエリア!

 2018年5月6日 ありがとうサービス.夢スタジアム
 FC今治×FC大阪戦

 この日ついに賑やかエリアデビューを果たすわけですが、こういうエリアは所謂熱狂的コアサポさんの集まり。だろうと思っていたのも束の間、初めて会った気がしないサポさんたち。凄く気さくに接してくれたのを憶えていますし、何よりこのエリア、周辺にいるサポーターの応援スタイルが自由気まま!家族連れ、子供達、座ったまま手拍子・チャント。もう皆さん楽しそうで、みな笑顔!笑顔!笑顔!!
 そして一つだけ自身不思議でたまらない感情が湧きあがります。これは強烈でした。それは、

 縁も所縁も無い今治で「今治」「おんまく」と必死で歌う自身の姿 

 この賑やかエリアでFC今治サポーターの皆さんと交流していくうちに、冒頭に書いた痛々しいばかりの昂揚を実感していくのですが、まず断っておきます。このエリアのサポーターさんの多くはサッカーをよく知っていますし、Jリーグ観戦や海外へサッカー観戦へ赴いた方もおられます。また勝負にも強い拘りを持つ方々ばかりです。
 それでは痛々しいばかりの昂揚とはなにか。それは皆さん嬉しそうに話してくれた以下のような言葉が全てです。

「今治を選んでくれた岡田オーナーに感謝」
「志を持ってFC今治に関わってくれているスタッフさんに感謝」
「こんなスタジアム、死ぬまで今治に出来るとは思わなかった」
「今治にこんなに人々が集まってくれて凄く嬉しい」
「夢スタジアムに集まる皆は、ホームアウェイ関係なく仲間」
「わざわざ夢スタまで来てくれたアウェイの皆さんは楽しんで帰ってくれただろうか」
「今見ているのは奇跡、大切にしたい」

 これを嬉しそうに話してくれるんだから、こっちだって嬉しくなる!

 そしていつの間にか「今治」「おんまく」と大きな声で歌えるようになっていたんです・・・。俺のクラブ!みたいなね。


 いきなりですが(中)はここまで。ちょっと旅の新しい仲間について薄い構成となりました(笑)ごめんなさい。

 ここで私が仲間の皆さんを語るより、FC今治とともにするたくさんの旅人さんそれぞれの想い、旅のレポートはFC今治の中島さんが定期的にマガジンにして紹介してくださっています。サポーターやファンの皆さんの熱く・優しい想いが伝わってきます。


 次回、FC今治とボクと時々オカン(下)はですね、おそらく今後語り草となる2018年FC今治最後の8戦。怒涛の6連勝達成後に滋賀戦で敗れつつも、必死の思いでサポーターやファンに、昇格という可能性を夢スタジアムに持ち帰ってくれたあの日。
 2018年11月18日 夢スタジアムでの今シーズン最終にして最高の大一番を迎えるまでの1週間の、自身の出来事や気持ちを書けたらなあと思います。


(最後に)
 今年開幕から賑やかエリアに誘い続けてくれたかーくん、ありがとうございます。もし何度も誘ってくれてなかったら、このnoteも書けていませんでした。感謝。感謝。

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