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日常小説:超認識症候群世界vol.2「瞬間記憶術と永久記憶術」編

ここまで小説は一話完結的に書いてきました。
小説を読まずにそこにある現実で使用可能なネタを取り込んでもらう。
そんな読み方もしてもらえるといいと思います。
どうも閲覧数をみていると続編小説だから全部読まないといけない。
そう思っている方も多くいるように思います。
でもこの小説は単に著者が言いたいことをいうためのツールであり、そんなに読まなくてもアイデアの面白さや実用性には関係ないと考えています。
そこを踏まえた上でどうぞ今回もご覧ください。

今日はついに記憶力を試す順位戦だ。
私(主人公)はこの予選ですでに敗北している。
私は自分の順位をみながら思った。
やっぱりパラレル思考を酷使してもなかなか記憶力がよくならない。
基礎表はパラレル思考で日常の合間に記憶の定着を図れるけど、実際数字を覚えるとなると覚えるための数字が目の前にある必要がある。
だから全然記憶する技術を上げることができなかった。
私は「地道に積み上げるしかないのかな?」とつぶやきながら順位戦の準決勝を見に行った。

順位戦準決勝では驚くべき光景が展開されていた!
それはあの見下していた犬のヤツが準決勝で戦っていたからだ。
犬「ガハハハッ!貴様はすでに死んでいる!!」
と準決勝の相手にいきなり失礼なことを言っている。
そして記憶力の順位戦準決勝が始まった。
犬「このエロチック記憶術に勝てる者などいない!刮目せよ!」
と言ってイメージを展開し始めた。

そうこの東〇大学では記憶術で用いられているイメージを機械で出力し、ほぼリアルタイムにその機械に手の平が触れている間だけ画面に映すことが可能なのだ。
しかしその画像は不鮮明なので、犬がどんなにエロいシーンをイメージしていても大体のイメージしかイメージされない。
しかしその映像がみんなに観られることを犬は何も感じていないようだった。

犬がイメージを展開し始めると周囲からはブーイングの嵐になった。
犬はそれを気にしていないようだった。
そして数字の羅列がイメージの映像と違う画面に羅列された。
準決勝の犬も相手もイメージをフル稼働させながらそれを覚え始めた。

それをポカンとしながら観ていた私の横で何かブツブツ言っている人がいた。
その顔は知った顔だった。
どうも教授のようだったが、私は「何をブツブツ言っているんだ?」と思いながらそれを聞いているとどうも画面に映し出された数字の羅列をブツブツ言っているようだった。
そこまではこの大学ではありそうなのだが、その教授はその数字の羅列を一回唱えたあとすぐに後ろを向いて数字を暗唱していた。
そのスピードは準決勝の2人より圧倒的に速かった。

私は「スゲー!!」と心の中で思いながら聞いているとその教授が一言
教授「ワーキングメモリと長期記憶では使う記憶術が違うのにな」と準決勝の2人のイメージ映像を観て、不満そうに言っているのを私は聞いてしまった。
私はどういうことかわからなかった。
私「どういうことですか?」
と心の声がだた漏れでつい言ってしまっていた。

それを聞いて教授は私の方へゆっくりと顔をやり、私に言った。
教授「あの量の数字であれば、普通の記憶術が禁忌としている“モノのイメージの重ね合わせ”や“イメージの形を変える”ことなど使っても大丈夫ってことです。干渉はあくまでも長期記憶する際に避けるものですから。短期に記憶しておくならその縛りを破っても大丈夫です。ようするにワーキングメモリで記憶する場合と長期記憶する場合では技術体系が少し違ってもいいってことですね」
と丁寧に教えてもらった。

これには私には目から鱗が落ちる思いだった。

説明
記憶術の順位戦みたいなものは現実の世界にもあって、それはメモリースポーツと呼ばれています。ネットがあるなら、メモリーリークというサイトで実際に競技することが現実で可能です。このメモリースポーツでは時間制限が存在しています。そのためどれだけ記憶術のイメージ作りの工程を省けるか?という視点も大事になってきます。その点を重視するのであれば、工程数1の記憶術が最強ということになります。それではどのようにそれは作り出せるでしょうか?
それが今回のヒントとなり得ることです。つまり短期記憶、またはワーキングメモリで記憶する場合は、干渉を恐れずに短期間だけ覚えておけばいいという割り切りを意識した技術体系にしてはどうでしょうか?

あとがき
今回の小説はどうだったでしょうか?
あまり記憶術を知らない人にとってはインパクトのない内容だったと思います。
それとともに、記憶術を使っている人にとっては記憶術の技術を見直すチャンスになると思います。
私(著者)は記憶術も物理学の相対性理論と量子論のように理論があり、記憶術の場合方法が、短期間覚えておくための技術と長期間覚えておくための技術で分裂すると考えています。
この考えの元ワーキングメモリで記憶する場合として作ろうとしているのが「プロセスワン記憶術」です。
これは名前の通り工程数が1個の記憶術です。
できたら、どこかで述べたいと思います。

以上です。次回を楽しみにしてください。

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