ふと見ると口呼吸
彼氏がいる。
いつも話を聞いているのかいないのか分からないリアクションで、
でも内容はほぼ覚えてくれているから多分聞いているんだろうけど、
ほーという顔をしながら話を聞いてくれている。
そんなにおしゃべりではなくて、公園のベンチで静かにカメを眺める時間を共有できる人。
そんな彼はたまに口呼吸になる。
集中しているとき、考え事をしているとき、人が多く情報過多な時、口呼吸になる。
なんか長い間静かだなと思ってみてみると大抵口がちょっとあいていて真剣な顔をしている。
私はそれを見て少し笑ってしまう。
口呼吸っぽい性格だと思うからだ。
相手の気持ちを考えすぎてしまうような人だから、周囲の変化に敏感な人だから、私が何もしたくない時は一緒に座って何もしないを選んでくれる人だから、ぽい、と思う。
口が開いているのがなんか似合うなあ、と気が抜ける。
彼ってどんな性格なの?と聞かれるといつも悩んでしまう。
大切な人ほど一言で性格を言い表すのが難しくて、最終的にはなんか熊みたいな感じ。とか変な答えを出してしまう。
たいてい友達からはよく分からないと笑われて、私はへらへらしながらいっぱい食べるし~と付け加える。
熊が大食いかどうかはよくわかっていないけれど。
もちろん彼の印象が熊一択なわけではない。
・コーンスープみたいな性格
・寿司でいうところのねぎとろ
・チョコでいうところの麦チョコ
みたいなのもある。多分伝わらない。
だから熊みたいと言う。
比較的伝わる。気がする。
人を紹介するのは難しい。
だからこそ一言じゃ説明できないような彼らしさをもっと私なりの目線で探していきたい、と思う。
そして伝わらなそうな印象ストックをもっと増やしたい。
いつか料理の腕前を磨いたら、彼らしい食べ物だけでフルコースを作ってプレゼントしたいとひそかに企んでいる。
多分料理の説明をしているときはほーと言う顔で聞いて、頑張って意味を考えてくれる。
その時はきっと口呼吸なんだろうな。
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