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Music of Delusion 第4話 ~地を統率するもの~


〜朝〜

タビドロは地上に到着し、そのまま地下へと進んだ。
地下はただ土があるだけで空洞があるわけではなかった
「こんなところに本当に誰かいるのだろうか…」

じっとしていると小さな話声が聞こえてくる
「何か入ってきたぞ!」
「俺の位置が変わってしまった」
「どうする!?追い出すか?」

「うるさい!」
すると前から馬に乗った少年が現れた。

「もしかして彼が!?」
「すいません!ソラカケさんから紹介があって来ました」
「ソラカケから?」

「すまんが、少しどいてくれるか?」

すると土の中に大きな空洞ができた

「あのー。さっきから話し声が聞こえるんですがそれは..」
「あぁ。それは土だ!」
「土!?」
「土の粒子たちが会話をしているんだ」

「俺の名前はチカサカケ。よろしく」

〜昼〜

「そうか!父にも会ったんだな!元気にしてたか?」

「元気にしてました。危ないところ助けてもらったんです。」
「そうなのか..」

「えーと。チカサカケさんって何だかすごくしっかりしてますね」
「あぁ。私はこの地下の世界を統率しているから。
普段から気を張っていないと土たちに反乱を起こされてしまう」
「そうだったんですね。」
「ほら。始まった」

空洞の隅から小さい土の塊がチカサカケ目掛けて飛んできている

「お前は地下の世界を統べるのに相応しくない!」
「そうだ!そうだ!リーダーシップがないんだ」
「今日で終わりだぁぁ!!」

チカサカケに到達する直前のところで、射った矢が土の塊を粉砕した。

「今のが。土の反乱!?」
「そうだ。彼らは普段はおとなしいが時々結託して私を攻撃してくる。
その時にこの矢で近距離で粉砕するんだ」

「彼らの目的は?」
「簡単にいうと世界征服だろう。地上から空まですべての空間を土で覆い尽くそうとしている。だから私は地下で土たちが勝手な行動をするのを監視し、制御する必要があるんだ」

〜夜〜

少しうたた寝をしていると。チカサカケが寝言をつぶやいた。
「お父さん、お母さん、会いたいよ…」

すると再度土の塊が飛んできて、チカサカケはその気配を察知し
すぐに弓を取り矢を射った。
「危ないところだった。」
「そうだ。ソラカケさんから伝言で、君のことを愛してるって伝えてって」

チカサカケの顔は強張り、目から大量の涙が流れた。
「ありがとう。。その言葉から母の空の気が伝わってきた。」
「もう少し頑張ってみるよ。今日はわざわざきてくれてありがとう」
「こちらこそ、地下の世界楽しかったよ」

二人は固い握手をした後、タビロドは地上に戻っていった。

タビロドが上がった場所はちょうど海の中だった。
次の瞬間大波が来て、タビロドはその波に巻き込まれてしまった。

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