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1983 一言手帖

とても綺麗な使われていない1983年のスケジュール帳を見つけたので、これを一言手帖にすることにした。

1月1日
使われることのなかったスケジュール帳。2023年、私の小さな日記帳にすることを決めた。40年という月日がすぎた中でも、ふと見つけられることがあるのだと、必要になることもあるのだとこの日記を使って証明したい。

1月2日
私の名前はローマ神話の月の女神からとってあるらしい。とても素敵だ、月のような優しい光で誰かをつつみたい。

1月3日
温泉へ行ったのだけれど、電車を逃して歩いて帰った。夜のひこうき雲はとてもとてもながくて…私の夜みたいだった。とてもキレイ。

1月4日
スケジュール帳、使わなくても買ってみようかなと思った。使い方も生き方も誰かに決められる必要ない。

1月5日
最近考えるのは考え方が真逆な人と似ている人、どちらを求めているのだろうということ。

1月6日
今はやってるものよりも少し前のものに惹かれてしまうのはなぜだろう。私は昔から知らないものに価値をおいているのかもしれないなぁ。

1月7日
いっしょにおふろはいろなんて言葉を湯船の中で思い出した。ギルバード・グレイプのアニーのようにはなれない。

1月8日
自転車の二人乗りを初めてした。いけないことをやってる感覚は何歳になっても楽しい。何気ない日常をかみしめて私たちは歳をとっていく。その隣にだれもいなくとも。

1月9日
勝手なおまもり、愚かだね。
”いつか僕たちにも終わりは来るはずだから”
優しい微笑み、美味し丸焼き、目覚めた天井

1月10日
頭の中がぐるぐるぐるぐるぐる
思考が止まらない、おしゃべりがとまらない…私はひとり。

1月11日 
最近また夢の中で生きている。現実の私はなにをしてもだめで…思い通りなんて幻想よ。

1月12日
夜中に作るスクランブルエッグ、気持ち悪くなって気がつくと床に転がる私とフライパン。狂っているのは誰?

1月13日
友人とはなんなのだろうね。変わりゆくものばかりだから…

1月14日
いいいみでもわるいいみでもみんなひとりよ

1月15日
今日はだめな日だったので、でかけたけれどだめでした。心を揺さぶられる感動をいつだって私は求めている。

1月16日
私はあたしがすごくきらいだ。いつだって私は…どうして?

1月17日
自分を傷つける以外の方法を知れる生き物になりたかった。

1月18日
ねてもねてもねむい。なにもなにも考えたくない。

1月19日
寝ていると現れたぬくもり、布団の中で姿をあらわした小さな生き物、愛。愛だとかみしめる。まだうすぐらい朝、微かな温もりと小さなじんましんだけを残して愛は消えた。

1月20日
人は何歳からでも成長できるから、と言われた。その言葉がうすっぺらくきこえてしまうのはなぜ?精神病棟に差し込むひかりはいつもまぶしすぎて…

1月21日
とてもとても遠いところへ行きたい気分。誰も私を知らない街へ。

1月22日
友達ってなんでしょう?友達にも消費期限があるような気がするのですが…どこにかいてありますか?

1月23日
最近はお風呂で優しい歌ばかり聞いてます。

1月24日
今日はシチューの日でした。誰かと食べたらもっと美味しかったのかもしれません。

1月25日
きたない部屋には可愛いティーカップを。
きたない部屋には温かいキャンドルを。
きたない部屋にはあなたの愛を。

1月26日
最近の夢は色づきはじめてとてもきれい。夢の中の自分に傘を忘れないようにと言われたおかげでかさを忘れずに済んだ。夢に支配される感覚は案外きらいじゃない。

1月27日
私は言葉に頼りすぎている。言葉や文章に逃げている。けれど、私はひとりでいる方法をこれしか知らない。

1月28日
世界は複雑そうにみえてとても単純なので嫌です。それをまだしんじられていない自分も嫌です。

1月29日
借りた本の間に誰かの長いまつ毛がはさまっていた。ジャック・プレヴェールの朝食の詩に落としたまつ毛だと思うとなんだか泣けた。

1月30日
サトウのごはんを抱きしめて泣く女は私だけかもしれない。ラジオネーム サトウのごはんを抱きしめて泣く女、今後使っていきたい。

1月31日
ゴミ収集車のお兄さんってサンタさんみたいだと思った。何年か前、それを誰かに言ったような気がするけれど…それは誰?夢?




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