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超音波療法+理学療法士国家試験過去問

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過去問の解説です!
良かったらご参照ください!!

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過去問1

過去問1

答え5
温熱効果を目的とした物理療法には、ホットパックやパラフィン浴、赤外線、温水浴、超音波、極超短波、超音波などが含まれる。
1.超音波は音の一種で、縦波の一種。
2.超音波治療器で用いられる周波数は1 MHzと3 MHzの2種がよく知られている。その深達度は周波数に反比例し、1 MHzの方が3 MHzより深部まで到達できる。
3.圧電効果とは結晶に対して圧縮・非圧縮を加えることで電流が起きるエネルギー変換の現象である。超音波治療器における超音波発生原理は、高周波電流を結晶に加えることで結晶を振動させることで、逆圧電効果と呼ばれる。
4.金属挿入部分にも適応可能とされることもあるが、セメントや合成樹脂の部分では融解や発熱の可能性があり、また組織の境界面で反射が起こり、温度が著しく上昇することもある。
5.水は吸収係数が低く、カップリングメディアとして適している。このことから、治療部位が平坦でない部位への治療で、脱気水を用いて水中で照射する水中法が間接法として用いられる。

水柱では媒介物質(カップリング剤)の厚さは5 mm程度が必要である。
媒介物質が薄すぎる場合は、治療部位に空気層ができてしまう恐れがある
水中法における導子と治療部位との距離は文献により相違を認めるが、通常0.5~1 cm、最大でも10 cm程度とされている。
超音波療法の方法としては①直接法、②水中法がある。

水中法については
①煮沸した脱気したものを使用
②導子表面につく気泡により患部に届く前にエネルギーの多くが失われてしまうため取り除く
③患部と導子は0.5~1cm離す
④術者の手は水中に入れない(治療者の手が繰り返し超音波を受けることを避けるため)
⑤導子は直接法同様、移動させる(強度の不均衡を避けるため)とする。

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過去問2

過去問2

答え3・4
1.骨と他の組織との間では固有音響インピーダンスが大きく異なるため、超音波の反射が起きる。
この反射波で生まれる定常波が、骨との境界面における深部温熱効果を引き起こす。
同じ深部温熱でも極超短波の場合、金属そのものが高熱を帯びてしまうため、火傷の危険性が高いが、超音波の場合は金属そのものが熱を持つわけではない。したがって金属挿入物がある場合の深部温熱として、超音波は適応であり、極超短波が禁忌となる。したがって、1は間違いである。

2.回転法による導子の移動は、超音波の波の干渉による強度のばらつきを少なくするために行うが、通常は2.5~4.0 cm/秒とされているので、誤りである。
3.超音波の深達度はその周波数に反比例するため、3 MHz波より1MHz波の方が身体の深部まで届くため、3は正解。
4.超音波の伝達に関する大きな要素は固有音響インピーダンスと吸収係数である。固有音響インピーダンスは、比重×音速で表され、一般に重くて固い物質ほど高くなる。2つの接触する物質間でこの値が大きく異なると、超音波は境界面で反射を起こす。したがって4は正しい。

5.吸収係数は、波のエネルギーが他のエネルギーに変換される程度を示しており、この値の高い物質ほど超音波が吸収されやすい。1 MHzの超音波の吸収係数は、筋で0.12、脂肪で0.04であり、5は誤りである。

固有音響インピーダンス:物体や組織における音の伝搬のしやすさを数値で表したもの。 媒質の密度と媒質中の音速の積で求める。 
音響インピーダンスの差が大きいと、音は強く反射される。
小さいと、音は透過する量が多くなる。
 音響インピーダンスは、超音波の反射や透過に影響する重要な要素。


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過去問3

過去問3

答え5
1.渦流浴とは、対流熱を用いた温熱療法。
疲労骨折を起こしている部位に熱感があることから骨折による炎症が生じていると考えられる。
骨折の炎症が落ちつくまではアイシング等の寒冷療法を実施して、温熱療法は実施しない。
2.ホットパックは、伝導熱を用いた温熱療法であり、骨折の炎症が落ち着くまでは実施しない。
3.赤外線療法は、輻射熱を用いた温熱療法であり、骨折の炎症が落ち着くまでは実施しない。
4.紫外線療法は、光化学作用により紅斑作用(日焼け)や殺菌効果が認められており、アレルギー性や慢性炎症性皮膚疾患、褥瘡などに対して適応される治療法である。
5.低出力パルス超音波療法(Low Intensity Pulsed Ultrasound:LIPUS)は非温熱作用による音圧効果(非温熱効果)が骨芽細胞の活性を高め、骨癒合を促進し、骨癒合期間を短縮する効果が期待できる。

低出力パルス超音波療法:超音波療法の出力(W/cm2)よりも低い出力(mW/cm2)のパルス超音波を利用した治療法である。
新鮮骨折や骨癒合が遅延した難治性骨折、偽関節に適応。
微弱かつ間欠的な超音波により機械的効果が骨の血管新生増加、骨芽細胞の分化と骨形成を誘導し、骨癒合を促進する。
骨折では、脛骨骨幹部骨折や橈骨遠位端骨折で約40%の治癒期間短縮の報告がある。

慢性疾患には温熱作用,急性疾患には音圧 作用を用いるのが原則である。
このように原則に従 っていかに正しく使用するかによりその効果性が異 なってくる。
1 MHz の周 波数では 1 秒間に 100 万回の変化が起きている。手 技によるマッサージが,プラス方向だけであるのと 比較して超音波の場合はプラスとマイナスの両方向 へのマッサージということになる。

参考文献

奈良勲:標準理学療法学 専門分野 物理療法学、第5版第1刷、医学書院、pp46-66、98-116、98-116、2020。
上杉雅之・他:イラストでわかる物理療法学、第1版第1刷、医歯薬出版、 pp41-52、77-88、2019。
鳥野大・他:最新理学療法学講座 物理療法学、第1版第1刷、医歯薬出版、pp83-102、175-190、175-190、2021。
森下勝行:超音波療法の基礎と臨床応用、教育講演 物理療法科学第24巻、pp8-13、2017。


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