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そろそろコロナ終息後に備えるタイミングか

配信日:2021年7月8日

英国では今月19日にコロナ対策の規制をほぼ撤廃するようですね。公共機関でマスク着用廃止(ただし推奨)、イベントの入場人数の制限撤廃、ソーシャルディスタンスのルール廃止、ナイトクラブなど全ての飲食事業者の営業再開、在宅勤務推奨の終了、2回ワクチン接種者の海外からの入国時の隔離一部撤廃(検討)などが含まれます。つまり、ほとんど「これまでの日常に戻る」と言って良いのではないかと思います。この背景にはワクチン接種の成人が全体の86%に上り、1日の死者数が数人(20人以下)に抑えられていることがあります。一方でデルタ株が猛威を振るい始めていて、事実、1日2万人レベルで新規感染者数は増えている。しかし死者や重傷者に繋がっていないから「問題ない」と判断したわけです。ワクチンの効果です。

日本では東京を中心に第5波が始まっていると言われていますが、それでもワクチン効果が表れているようです。確かに新規感染者数は増えているものの、全国の重傷者数は5月末の1,400人から7月5日時点では481人程度まで急激に減っています(日経新聞「チャートで見る日本の感染状況」)。もちろんベッドの空き状況も大幅に改善しています。ここにワクチン効果があるようです。ワクチンは「うつらない・うつさない」以上に「重症化しない」ことが真価だと思います。これからは日々の感染者数を一喜一憂するより、「ワクチン接種人数」「重症者数」を見るほうがコロナ状況の真実を捉えやすいかもしれません。

「これまでの日常に戻る」を考えた時、戻らないほうが良いこともあります。例えば満員電車に毎日乗って出勤するなどは多くの人が望まないことでしょう。これらはコロナがもたらしたイノベーションだと言えます。この1年半では「働き方の進化」と言えるものも確かにありました。ただ懸念されるのは、それら進化が「特別な条件下でのみ許されたこと」として捨てられる可能性があることです。そうならないことを願います。

ワクチン接種状況を見るとまだ半年も先になるかもしれませんが、日本も確実にアフター・コロナが見えてきたように感じます。コロナ明けは一体何が起こるだろうか。容易に想像できるのは、既に海外のワクチン先進国で起こっているような状況です。外食や旅行は言うに及ばず、生活導線が大きく変わることが想定されます。人の動きが変われば、当然、新たな機会と脅威が生れる。これまで抑圧的な生活を強いられてきたことを考えると、プラスに反発するほうが強いでしょうね。つまりいまから「コロナ終息後に来るであろう大きな需要の波」を想定して、そろそろ備える時期にあるのではないか。そういう意味では「半年」は十分で妥当な時間のように思います。