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応用3「シナリオプランニング」を終えて

BMIAコンサルタント認定講座の応用3を終了した。ビジネスモデルキャンバスを徹底的に活用する応用1、顧客ニーズを分析する応用2に対して、応用3では未来へのシナリオ策定がテーマである。

未来はすでに起こりつつあるというのが、ドラッカーの指摘であった。たとえば、将来の人口動態は、その年の出生数を見ればあきらかだ。その年に70万人生まれたとすると、30年後の30歳人口は、(海外からの流入がなければ)70万人を超えることはない。

将来の変化はすでに手元で起こりつつある。その起こりつつある変化は、しかし多くの人が気づかずにいる。1995年の段階でインターネットがここまで人々の生活に浸透していることを予測した人は少なかった。

1996年にWeb日記、いまでいうブログを始めたが、同じタイミングで新聞社の人から、「インターネットは信頼性が低いから紙の新聞を凌駕することはない」と言われたことは、いまでも覚えている。今や新聞社はどこも赤字で、不動産事業の収益でなんとか生き延びている。笑い話にもならない。

2020年代になっても、テレビ局の人から「今年は広告の売上がよくてまだ行けそうです」という話を聞いて、卒倒しそうになった。どんな大局観を持っているのだろうか。大勢はすでに決していると思っていた。1990年代のテレビ広告の状況を知っている者からすれば、すでに閉店ガラガラ、店じまいモードだ。

手元の微細な変化の意味を知るためには、遠い未来を見る必要がある。シナリオプランニングでも未来からのバックキャストでも、遠くを見たうえで現在起こっていることの意味を見出すというプロセスには変わりがない。

お笑い芸人が、「YouTuberおもんない」と発言して話題になっていたが、10年後のメディア状況を想像できているのだろうか。かつて、歌舞伎役者が映画俳優を、映画俳優がテレビ俳優を笑った歴史も、二重写しに見える。

富士フイルムは、写真フイルム事業で最高益を出したときに、その事業の限界を悟った。凋落はあっという間だった。ギリギリの判断が企業を救った。あのとき、解像度の低いデジタルカメラを笑っていたら、いまの富士フイルムはなかっただろう。

さて、みなさんの手元ではどんな変化が起こっているだろうか。その意味を本当に理解しているだろうか。そう、これは、BMIAの認定講座の広告である。

小山龍介
BMIA総合研究所 所長
名古屋商科大学ビジネススクール 教授

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