呪いの言葉

7/13に行われた“LIVE DUB JAM vol.2”でのオープンマイクで読んだ詩をアップします。
いとうせいこう is the poet(ミュージシャンもとても豪華なのよ)をバックにオープンマイクができるという貴重な体験、しかも申し込み順が順番だったため、なんとまぁトップバッター。せいこうさんに「あおきりょう is the poet!」と呼ばれるなんてなんと光栄なことか。いつものプロテストだったけど、今回は全体を通して見てもメッセージ性が色濃く出ていた演者が多かった気がしました。個人的にもオープンマイクにしても記念碑的に心に残っていく感じがしました。ガチで最高な夜でした。

誰かがそれぞれに思う
“ふつう”が“正義”に変わるとき
僕の背後から呪いの言葉が聴こえる

そう 僕は“ふつう”ではない
いつからか“ふつう”という言葉が嫌いになった
だから 僕はいつのまにつくられたあらゆる“ふつう”に抗う

そして“正義”という言葉の意味を考える
“ふつう”も“正義”も人それぞれにある
それぞれにあるからこそ厄介でしかない

だから 分かることがある
今はことあるごとに断罪したがるし
世の中もまともに機能していない

“正義”を纏った“ふつう”がいけしゃあしゃあと街を闊歩する
僕は何個命があっても足りない心地がする
投げつけられる言葉に幾度となく殺される 今このときも

「生産性がない」
「あいつは不良品だ」
声の強い誰かの言う“正義”が“ふつう”になることを恐れる

「それは違う」
「いくらなんでも言い過ぎではないか」
声を上げれば見ず知らずの“正義”が容赦なく刺してくる

そんな世の中になってしまった
こんなはずじゃなかった
どこかの街ではヘイトデモが警官を多く連れて喚き散らす

本当なら殴れたらいいけれど
殴ったら殴った人間に裁きが待つ
人を守ることができない悲しみを常に抱えている

“正義”とはなんだ
“ふつう”とはなんだ
僕にもあるからこそ 悩み 考える

“正義”とはなんだ
“ふつう”とはなんだ
永遠に自問自答が終わらない

何もかも搾取され続けて
声を上げても聞こえないふりをしている
この苦しみを終わらせようとは思わないのか

“正義”とはなんだ
“ふつう”とはなんだ
間違いを質せるほどまだ強くはないが

“正義”とはなんだ
“ふつう”とはなんだ
間違いを「間違いだ」と言えてこそ 僕は闘い続けていられる

黙らないこと
抗うこと
言葉に殺されないこと

黙らないこと
抗うこと
言葉に殺されないこと

それが僕の“正義”
それが僕の“ふつう”
呪いを断つために 今日も僕は生きる

この詩を書く上で、上西充子氏の『呪いの言葉の解きかた』を参考に読みながら考えました。自分が考える「呪いの言葉」とはなんだろうと思いながら。
そして自分が思う「呪いの言葉」は、各々が持つ正義とふつうをわたしに押し付ける行為全て、だと感じました。
この世界はどこかでわずかでも自分を信じていなければ生きていけない社会であり、あらゆる方向から言葉が飛んでくるけれども、そこで改めて「自分がどうありたいか」「どう自分を信じるか」「人が放った言葉の取捨選択」を思うようにしようと。
自分が詩を書く上でもどうしようか悩むことがあり、自分のツイにも困惑を書いています。それらはこれからも続くことですが、これからも自分がそこそこの自由の中で詩を書くために考えていかなければいけないことなのかな、と思います。

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1976.11.05/さそり座/ゲイのおっさん
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