スルースキル

スルースキルなんてみんな持ってないよ
みんな心のどこかに必ず引っかかってる
スルースキルなんてみんな持ってないよ
みんな心のどこかで必ず傷ついている

僕が生きてきた人生
忘れられず残るばかりの亡骸が
たくさんあるというのに
スルースキルを持てと言うばかりの人らに
静かにただ　中指を立てる

忘れられたらどれだけいいか
こんなはずじゃないと思うことを繰り返し
上手に軌道に乗っている人のことを羨ましく思っても
「嫉妬」という言葉で片付けられてしまう
そういう世の中で生きていることを
クソッタレという言葉以外に見つけられない僕が虚しい

スルースキルなんてみんな持ってないよ
みんな心のどこかに必ず引っかかってる
スルースキルなんてみんな持ってないよ
みんな心のどこかで必ず傷ついている

もしも億単位の宝くじが当たっても
残債を払うだけ払ってあとはしれっと働いているだろう
ちやほやもされたいけど
こういうときほどスルースキルは要なのかもな
ああ矛盾だ　ファックだ

見える世界で生きる社会
欲望と羨望にいかにして打ち克つか
いつも気にしてばかりいる僕の癖がいつまでも治らない
「空疎」になってしまった僕の悔いが
いつまでも止まることなく生きていることで
都合良くスルースキルなんて言葉でごまかす

スルースキルなんていつどこで発動するか
みんな心のどこかで分かっているのかもな
スルースキルなんていつどこで発動するか
みんな心のどこかにスイッチがあるのかもな

どっちもどっちだと言う人らには
どっちかにしろって強く言ってやる
私は中立ですと装う人らには
ハラワタがねじれるほど問い詰めてやる
両論併記でごまかす人らには
そのパソコンやスマホを壊して紙を破りペンを折ってやる

世の中はスルースキルを簡単に発動できるほど
単純じゃねぇんだ　バカでなかろか
僕にも相手にも言ってやる
単純じゃねぇんだ　生きているってことは
都合いいスルースキル
今日も街のどこかで　イヤホンをしていても
見て見ぬふりはいつまでも繰り返せない
いつか　スルーできない日が必ずやってくる

スルースキルなんてみんな持ってないよ
みんな心のどこかに必ず引っかかってる
スルースキルなんてみんな持ってないよ
みんな心のどこかで必ず傷ついている