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ミッドナイトスワン

smapのファンとは言ってももコンサートには行ったことがなく、メンバーの個性と才能にあこがれて、どちらかと言うと個人の活動を追っかけていました。それでも、解散の時はやっぱりCDを買っていました。

草彅くんのドラマはオンタイムでよく見ていましたが、2019年の京都映画祭で「台風家族」を観た時に、「草彅くんまた、本格的な映画出演せえへんかなあ。」と、思っていました。台風家族はコメディタッチで、なんとなく、荒削りで、草なぎくんの繊細さをあまり感じれず、少し物足りなく感じていました。

それを踏まえての「ミッドナイトスワン」は草彅くん自身が「自分の代表作になる」と、言うようにたくさんのインスピレーションをもらえる映画でした。
草彅くんが演じるトランスジェンダーの男性と親との分離を余儀なくされた中学生の少女との同居を通して様々な社会問題にスポットを当てています。

トランスジェンダーの社会差別・母子家庭の経済問題・若年者の自殺問題・性風俗業の問題と職業差別など

本人たちの努力ではどうしようもない力に翻弄されながら、登場人物それぞれが自分の生き方を貫いていきます。その原動力になるのが大切な人を守りたいという愛情です。

自分らしさを失わず、愛する人を守りながら生きることが難しい社会

これ、社会課題。もっと細分化しないと課題といえないかとも思いますが、映画を通してそんなメッセージを受け取りました。

マイノリティの種類がもっと増えて、マイノリティではなく、一人一人の個性になる時が来ると信じて、目の前のマイノリティの課題を一つ一つ解決していくしかないか。とてつもなく時間はかかっても、やり続けるしかない。人間の動物的な本能として群れてしまってもそれぞれに個性があることを理解して。

美しさと残酷さは紙一重

内田英治監督オリジナル脚本とのことです。私、北野監督の映画は大好きです。Kitano blueと称賛された美しい青と容赦ない流血シーンの緩急がたまらなく心を打ちます。ミッドナイトスワンにも同じような感覚を感じました。深夜の東京の風景と、主人公たちのリアルな境遇描写は視覚的、心理的に映画に入り込ませてくれます。最初は対比と感じていますが、いつの間にか、境目がなくなって、美しさを残酷と感じたり、残酷さを美しいと感じたりするのです。

それが監督の狙いかどうかはわかりませんが、感覚を色んな角度から刺激して感情を動かしてくれる大好きな映画となりました。

それから音楽も印象的で、なかなか耳から離れません。CD買おうと思っています。渋谷慶一郎さんのピアノ・ソロです。

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良い映画でした。ミッドナイトスワン沢山の人にみてほしいなあ。15分25秒の宣伝動画ってすごいね。草彅くんの演技が久しぶりにみれてよかった。

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