バカの大阪日帰り(?)旅行 from 東京
趣味を聞かれるといつも困るのですが,この前悩んだ末に「貧乏旅行」と答えたら爆笑されました。
知らない土地に行くのは好きだけど,貧乏学生に旅行が趣味と言えるほどの経済力はないので,学会などで地方に行くたびに,(やることはやった上で)時間を捻出して気力と体力の制限をアドレナリンで解放して根性で観光します。
こんなバカ旅行についてくる人もいないのでもちろん一人です。
そういうわけで大阪に用事で行った今回,周囲に引かれるような観光をしてきたので旅行記録も兼ねて貧乏旅行バカの行動をお見せします。
実際はちゃんと用事がありましたため1泊2日で行きましたが,結局のところ1日目昼〜2日目昼過ぎは用事に時間を取られていましたので,1日目の午前と2日目の午後を結合して日帰りにすることが可能です。
東京出発(品川 6:07)
始発以外は甘えです。
私の自宅からでは新幹線の始発には間に合わないので,泣く泣く6:07品川発に乗ります。
この日は三連休の初日で,この時間でも指定席グリーン席は満席,自由席はお察しという状況です。
貧乏旅行人としては移動時間も楽しみたいので富士山が見える窓側を確保していましたが,この日は昼に大遅延が発生するほどの雨で富士山どころではありませんでした。
持参したパンなどで朝食を取ります。
大阪到着(新大阪 8:22)
新大阪に着きましたが,駅の外に出て外観を撮っている暇はありません。そのまま屋内でOsaka Metroに乗り換えます。
メトロの券売機で,エンジョイエコカードという謎ネーミングの一日乗車券を買います。
海遊館(9:10)
入場料3,200円。この旅程で交通費宿泊費を除いたら一括でかかる金額としては一番高いですが,個人的には払う価値があったと思います。
環太平洋火山帯・環太平洋生命帯をぐるっと回るような順の展示,というだけでも興味深くて凄く素敵だなと思うのですが,それ以外の個々の展示ブースもとても良かったです。
すみだ水族館のようにおっしゃれなクラゲの展示スペースがあったり,
北極圏での調査やサンゴ礁保全プロジェクト,アニマルウェルフェア,地元大阪湾の歴史と環境などスルーされがちな難しいテーマもカラフルで見やすい展示としてまとめられていて大人だけでなく子供も見入っていたり,
もちろん子供たちも展示されている生き物をただ見るだけで楽しめますが,知識を得たい大人にも優しく,そして両者を上手く橋渡しするような素晴らしい展示だったと思いました。
11:20くらいに出ました。
お昼ご飯
海遊館からは本来の用事のために別の場所に向かったので,1日目の観光は終了です。また2日目の午後に用事が終わり,観光再開です。
つまり私は大阪にいる間2回お昼を食べる機会がやってきたわけですが,1日目は時間がないわりにどうしてもその地域ならではのものを食べたいので,コンビニのおにぎり(味付海苔)で済ませました。
関西の人は何とも思わないかもしれませんが,1/2くらいの割合で味付海苔のおにぎりが並んでいるこの姿,関東出身者としては圧倒的な文化差を感じます。
2日目は本来の用事の延長で,他の方が取ってくださっていたお店でお好み焼きを食べました。個人的にはここで食べたいものリストのうちお好み焼きをクリアしたおかげで夜にお好み焼き店に寄らずに済んだので,昼にお好み焼きを食べておくのはありだと思います。
淀屋橋・中之島(※16:20)
次の国立国際美術館の最寄り駅として来たわけですが,せっかくの重要文化財なので見ます。
中之島自体も時間を割いて観光する感じではありませんが,淀屋橋駅〜国立国際美術館〜福島駅と後に歩いて縦断することになるので,歩きながら川に囲まれたオフィス街という面白い街を体感します。
後の美術館〜福島駅くらいを歩いた時間では川面に反射する夕日が綺麗でした。
国立国際美術館(※16:40)
思い出してください。バカの旅行でしたね。
閉館時間を勘違いしていました。
閉 館 ま で 残 り 2 0 分 。
お目当ての企画展は入場受付を終了しており,コレクション展を爆速で鑑賞。
ちょうど無料観覧日だったのと,ここまでメトロで移動してきており追加の交通費がかかっていないので20分でも損は全くしていないのが救い。
コレクション展の入り口のところでスタッフの方に「美術館自体のパンフレットありますか?」と聞いたら「インフォメーションでお渡ししていますがインフォメーションは最後まで空いているのでまずは展示を見てきた方がいいですよ」的なことを言われ,大阪の人のフレンドリーさをこの切羽詰まった状況で体感しました。
※私の前の都合と盛大な勘違い上,16:40着になっていますが,海遊館行ってお昼食べて美術館に来ればちょうど良い時間を費やすことが出来ると思います。
仁徳天皇陵古墳(18:20)
美術館にもっと遅くまでいる予定だったのに17時に思いがけず時間が出来てしまったので,旅程を立てた時に気にはなっていたけど削った仁徳天皇陵古墳に急遽行くことにしました。
大阪に来てから初のJR,今回の旅程での大阪最南端です。
うーんとね,森。
福島から30分くらいかかったので,電車に乗っている間に日が沈みました。
ここはまだ大通りに面しているので良いですが,少し行くと人気のない公園(片側が真っ暗な森)状態になります。
電灯はありますが,たまに皇居ランナーならぬ古墳ランナーの方々が走り去るくらい。
以前鳥取に行った時に夜全く明かりのない山みたいな状態の米子城跡にスマホライトひとつで登った時に無敵になったはずでしたが,やっぱり知らない土地は防犯的にちょっと心もとないので,リュックに入れっぱなしのままだった熊鈴を出してつけました。
一周しても良かったのですが,どうせなら違う駅から帰った方が楽しいので百舌鳥駅に向けて古墳を離脱。
横を歩いているとぶっちゃけただの森なので,これが大昔の人工物であるということがにわかに信じがたく,その凄さを実感できました。
昼に行ったことないので知りませんが,そのインパクトを体感するなら夜なんじゃないでしょうか。
百舌鳥で電車を待っている時に向かいのホームを特急くろしお(多分。詳しくないので調べた)が通過して,単純に普段は見ない電車で遠くにきたなぁという気がしました。
ダイソー(19:30)
スマホ,無くすわ落とすわで散々なのでストラップで身体にくくりつけているのですが,その部品の一部を仁徳天皇陵でぶっちぎってしまい
どうしようかと思ったら天王寺駅での乗り換え中にダイソーの文字が!
ありがとう都会。
新世界・通天閣(19:50)
普段東京で生活していると大学ですら写真を撮る観光客で溢れかえっていて,何がそんなに面白いのかと思いますが,やっぱりテレビやインターネットでしか見たことなかった空間に自分が立つと,テンション上がりますね。
そして大阪で食べたかったもののうちのひとつ,串カツ。
諸用で会っていた大阪の学生におすすめの店舗を聞いたら,悩みながらも一番最初に出てきたお店が新世界にあったので。
串カツだるま(20:20)
串カツ屋さん,あまりにも多いのでおすすめを聞いておいて良かったです。
周囲を見てもここだけ並んでいたので,間違いない。
めっちゃくちゃ美味しい。
初めてお店で串カツを食べましたが,衣が細かくてサクサクしており,カツといえばトンカツのようなザクザクした食べ物だと思っていた価値観が変わりました。
あと,ソースってどろっとしたものしか知らなかったので,さらさらしていてびっくりしました。
美味しくてもっと食べたかったもののこれ以上揚げ物食べたら気持ち悪くなるのでストップ。周りの皆さん飲みながら大量に食べていましたが大阪の方って訓練されているんですかね……?
道頓堀(21:20)
大阪だ〜〜〜って感じ。
あまりにも観光地的にもてはやされているので,もっと特別な立地なのかと思いきや,歩いていたら街の一角にいきなり現れました。
今となっては有名になりすぎているのでここだけ輝いて見えるが,街の構造を見ると他にも同じように橋がかかっていて建物が並んでいるので,なぜこの画角だけがこれほど知られるようになったのだろう?と思います。
地元の大学生に聞いたら「あんなところ行かない方がいい,混んでいるしあまりにも汚い」と言っていたので戦々恐々としていたのですが,日常的に歩いている渋谷や新宿の方がよっぽど汚くて臭くてうるさくて混み具合も変わらないので安心しました。
梅田(22:00)
一時期梅田サイファーにどハマりしていたので,少し遠回りしてこんなところか〜と思いながら歩道橋を歩きました。
会津屋(22:20)
大阪といえばたこ焼き!
ということで学科同期におすすめのお店を訊いたらくくるか会津屋と教えてもらい,調べたらくくるの方が東京に店舗をたくさん構えていたので会津屋に決めました。
KITTE大阪という建物の中に22:30L.O.で営業されていたので,滑り込みます。
ど偏見第一印象,「大阪でソースかかってないたこ焼きって許されるんだ〜〜〜!」です。
日頃はあまり味の濃いものを食べないので,粉もんにソース三昧で若干疲れていた私にとってはむしろこのフォルムはありがたい。
大阪のたこ焼きはやわらかいと聞いていましたが,これは東京のもののように揚げた感じではないとはいえ周りが固めに焼かれていて,中はとろっとしていたので美味しかったです。
うめきた公園(22:50)
そういえば梅田の再開発でデカい芝生の広場ができたとインターネットで話題になっていたなと思い出し,周辺を勘で歩いていたら無事到着しました。
感想,めっちゃ新宿中央公園。
都会の公園は再開発により収斂進化するのでしょうか。
話に聞いていたよりは人いないなと思いました。
大阪駅(23:00)
京都駅と羽田空港の中間みたいな建造物だなと思いました。
天候に恵まれていたのもあり,広々と開放感があって各ホームまで見渡せて,落ち着いた場所から慌ただしい人の往来を見ていられるのでいつまでもいられます。
人,こっちにいました。
駅の屋根の下に芝生の空間があり,そこに沢山人がいました。
もう23時ですが,23時に人が集まっているにしては治安が良かったです。
でも限界旅行者が一人で混ざれる雰囲気ではありませんでした。
お土産・食料調達(23:30)
改札外に,アントレマルシェというセブンイレブンと一体化したお土産屋さんがあります。
0:30までやっているらしく,この時間からも余裕で買い物ができます。
それほど広くはないものの有名どころのお土産は揃っている印象,少なくとも私が欲しかったお菓子は全て揃いました。
大阪で食べたかったもの,最後は蓬莱の豚まんなのですが,どの店舗も閉まるのが早くて食べられませんでした。
アントレマルシェに冷凍品は売っていましたが明日の朝まで持たないので断念しました。
あと,セブンで明日の朝までの飲み物と食料を買っておきましょう。
サンライズ乗車(0:33)
東京行きの新幹線は21時台で終了していますので,帰りようがありません。
そこで,寝台特急で帰るという奥の手を使います。
0:33発なのがさらに30分遅れ,やってきたのは結局深夜1時でした。
いつまでも大阪駅を見ていられるという先ほどの発言が見事フラグとなり,待合室で寝落ちしないよう深夜の大阪駅をひたすら眺める時間が発生しました。
無理な人は無理だと思いますが,サンライズにはノビノビ座席というカプセルホテルから壁の3/4と布団をとっぱらったような「座席」があります。
しっかりとしたベッドに寝巻きもついたホテルのような個室もありますが,ノビノビ座席なら実は新幹線より安く帰れます。
私も初めて乗りましたが,恐れていたよりかは防犯的な恐怖はなく(大阪が今晩最後の停車駅なので周囲が既に寝静まっているのもある),また1泊2日の荷物とお土産の大きい紙袋がありましたが頭上の左右に置けば頭が間に入るので特に狭さも感じませんでした。
ちなみに列車にシャワーがあるのですが,始発駅でシャワーを使うためのカードが売り切れるので,大阪にいるうちにシャワーを浴びるのも手です。
私は翌日用事はなくすぐ家に帰るだけだったので家で朝浴びればいいやということにしました。
※注意点※
サンライズは切符が争奪戦になるので,前もって準備していないとほぼ確実に乗れないです。1ヶ月前の10時(ただし大阪の場合は日付が変わってから来るので正確な乗車日の1ヶ月と1日前)に切符が発売されるので,その日の9:30くらいに新宿のみどりの窓口に行ったら既に10人弱並んでいて,窓口に辿り着いたのが10:05くらいでしたが売り切れていてビビりました。
そこからインターネットの予約サイトに頻繁にアクセスしてキャンセルがないか確認して,2日前の深夜にようやく1席空きが出たのを掠めとりました。
サンライズはインターネットでたくさんの人が解説を書いているので,初めての方はそちらをよく読んで切符を準備することをおすすめします。ここでは詳しいことは書きません。
東京着(7:08)
長い長い日帰り(?)旅でした。
私は電車の揺れと音は気になりませんでしたが,他の席の人の咳により深夜何回か起きてしまって十分な睡眠にはならなかったので,翌日に大事な予定は避けた方がいいかもしれません。
まとめ
この旅程をこなすのに普通の旅行と比べて必要なもの
体力
気力
サンライズの切符
です。
30,000歩,約20kmを1日で歩きました。
人生初の大阪で浮かれてバカみたいに詰め込んで観光しましたが,特に行ってみたかったところを総なめしたのでとっても楽しかったです。
太陽の塔(おまけ)
このnoteでは日帰りで詰め込んでいますが,私自身は1泊2日だったので,上記の旅程にはない「2日目の朝」が存在しました。
1日目も夜まで用事,2日目も9時集合だったのですが,どうしてもどうしても太陽の塔を見たくて,しかし上記のスポットからは北に離れた場所にあって一緒には回りにくかったので,2日目の朝に5:30に起きて門の外からですが太陽の塔を見に行きました。
次大阪行ったら太陽の塔の中を見たいです。
今回の旅程では,好みに応じて美術館・古墳あたりを太陽の塔に置換しても良いと思います。
おわり。