勇気と好奇心の後押しが必要

 玄人と素人の間にセミプロがいるが、セミプロと素人の間には溝がある。
 日常使い用のマスクの在庫を増やしたいのだが、100円均一だけでは中々適当な素材に出会えない。そこで意を決して近所にある羊印の生地屋に向かった。大手の素材屋であるそこは、雑巾から舞台衣装まであらゆる裁縫の道具素材が揃っている。
 案の定、生地だけではなく耳にかけるゴム紐やフィルター素材も特設コーナーに陳列されいた。更にはマスクの型紙まで無料で配布している。よりどりみどりなのだが、残念なことには布がメートル売りなのだ。厳密には「最低1m、以降10cm単位」の測り売りなのだが、裁縫素人が自分のマスクを作るだけのために1mの布はハードルが硬い。まずは20cm四方の端切れ2枚もあれば十分なのに、1m×140cmの布となってしまうと気軽に買えない。しかも型紙を見ると、複雑ではないが縫う距離が長くミシン向けのデザインだ。布を吟味する勇気もなく、鼻に当てるマスク用ワイヤーだけを買って帰った。
 素人の前に立ちはだかる溝、それを跳び越すべきか埋めるべきか。まずは回れ右して迂回路を探してみるか。


今日の英語:Measuring sale


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