細胞に浸透して明日の透明な粒に

 夏の不思議な味は、待ち焦がれる冷たい味に。
 私はチョコミントが好きだ。積極的に情報収集するほどではないが、目の前の選択肢の中にあれば必ずそれを選ぶ程度には好きだ。しかし悲しいかな、チョコミントはお菓子のテイストとしてはマイノリティなので、気になるものがあったら考えずに即購入しなければならない。チョコミントに「また次の時に」は無いのだ。
 幼い頃の記憶がぼんやりとある。自宅だったか従姉妹の家だったか、近所にあったサンジュウイチのアイスクリームをみんなで買いに行った。そして私はチョコミントのアイスクリームを食べて、何だこりゃと思ったのだ。そこからチョコミントの魅力にとりつかれたとかでは全く無い。ただ「何だこりゃ」と思ったのだけ覚えている。
 そして今私は冷凍庫にチョコミントのアイスクリームをストックしている。一昨年ぐらいからの習慣か、チョコミントのお菓子が売られる夏の間は冷凍庫のストックを欠かさない。肺胞まで行き渡るような水色の冷たさと甘さ。ひとには癖があって苦手とも言われるが、私の脊椎には真っ直ぐに到達して透明になる。
 待ち焦がれいつか別れる、そしてミントは一年育つ。

今日の英語:Chocolate mint

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