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はじめて買ったCD / 忌野清志郎『RAZOR SHARP』-1987-

清志郎の73回目の誕生日に。

忌野清志郎『RAZOR SHARP』

僕がはじめて買ったCDは清志郎の1stソロ・アルバムだった。発表は1987年。既にCDは一般的になってはいたけれど、欲しい新譜が出たら、僕はまだアナログのレコードで買っていた。もちろんCDに興味はあった。でも、聴くにはプレーヤーが必要という事情も大きく、金銭的なこともあり、手を出せないでいた。ただ、レコードにまったく不便は感じていなかったし、LPレコードの30㎝サイズは、ジャケットのデザインはもちろん、手にしたときの重さや感触などの魅力は、僕にとってはまだCDを上回っていた。そんな僕の意識が変わっていったいちばんの理由は、同じ新譜でも、CDのみ収録曲が多いケースがあったことである。

CDのみMELODY MAKER/メロディーメーカーを含む全11曲

大好きなバンドやアーティストの新譜だから、このことは大きい。清志郎がはじめてのCDになったのはたまたま偶然だったと思う。実際、最初はレコードを買った。CDはその後に手にしたのだが、すぐにそうしたのか、しばらく日が開いたのか、もはや記憶にない。しかし「メロディーメーカー」を聴きたいという強烈な欲求が勝利し、遂にCDを手にしたのである。

あらためて当時のCDを見ると、まだ消費税は導入前で、定価は3,200円。レコードは2,800円で、400円の差しかないのだけれど、当時は高いなぁと思った。ジャケットはペラ紙で、そこに歌詞カードが挟まれているだけなのも、ありがたみを感じられなかった。銀色に光るディスクには何かしらの新しさと重みみたいなものを感じた記憶がある。でも、レコードに比べれば圧倒的に小さいことも含めて、味気なかったのは事実だ。

ロンドンでの様子が写る写真はモノクロ…レコードはカラーだった

結果的に、ここから新譜をCDで買うことになっていったのだけれど、80年代後半はまだレコードも出たので、そういう場合は両方買っていた。出費は痛かったが、今では、このときに手にしたアナログ盤は思い入れが強い宝物になっている。

CDの便利さやノイズが出ないことの素晴らしさは、アナログ世代にとっては衝撃だったことも事実だし、当たり前のように慣れてしまっている今も当時の感動を思い出せるので、CDは画期的だった。そんなCD初体験が忌野清志郎だったことは、今となっては嬉しい思い出だ。


P.S.Ⅰ
大袈裟ではなかったが、レコードの仕様が凝っていたので、CDに魅力を感じられなかったのは仕方がないよね。

アナログはジャケットの右側に切れ込みが入っている
歌詞がプリントされたスリーヴ
スリーヴをジャケットに収めて完成
ラベルのデザインもアナログの魅力(SIDE A)
(SIDE B)

P.S.Ⅱ
アルバムに先行して発表されたシングル。名曲。


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