昔に比べて「PAの仕込み時間」は劇的に短くなりました
オイラがPAの手伝いを始めた1982~84年頃(当時20~22歳)は、当然ながらすべてのPA機材はアナログで、デカくて重いものばかりでした。
たとえば、雑居ビルの高層階に16チャンネル相当のPA機材を搬入~設営~回線チェックが完了するのに3~4時間を見込んでいました。
あれから約40年が経過した2021年現在、多くのPA機材はデジタル化され、小型軽量化が進んだため、同じ条件の現場なら2時間もかからず回線チェックまで終了してしまうまでに改善されてきました。
なんと言っても、80年代においては、客席後方中央部に設置されたPAブースに山のように積まれていたミキサー及び各種アウトボードの数々が、20年代ではデジタルミキサー1台にインテグレートされ、さらに本体をステージ側に設置~遠隔操作するようにすれば、客席側にPAブースを設置する必要さえもなくなったことが大きいです。
また、パワーアンプがデジタル化に伴い小型軽量化されたことにより、高性能な「アンプ内蔵スピーカー」が多数リリースされたことも重要です。
結果的に機材の数、トータル重量が半分以下になったことにより、かつては手押し車で、機材車駐車場からPA現場フロアまで10回往復して搬入していたのが半分に減ったことにより搬入時間も軽減されることとなりました。
明後日(12月12日・日曜日)は清水マリンパークで野外ライブのPAを仰せつかっておりますが、恐らく40年前であれば、2人で搬入~設営~回線チェックに3時間はかかったはずですが、2021年現在であれば恐らく1時間~1時間30分くらいで完了すると思われます。
もっとも今回は仮設ステージを組む予定なので、それに要するプラスアルファの時間を見込まなければなりませんが。
デジタル大好き人間のオイラ的には「40年前に夢見た環境」が実現して万々歳ですが、その一方では、アナログからデジタルへの移行に対応し切れていない方々が少なからずいらっしゃることもまた事実。
かつてのアナログミキサーの取説など50ページ程度だったと思いますが、現在のデジタルミキサーの取説は300ページ超は珍しくなく、使い方をマスターすること自体が高いハードルとなっています。
そうなると、デジタルカメラ等によく見られる傾向として、ユーザーが細部まで機能を調整することなくハードウェアに「おまかせセッティング」する機能が搭載されることになります。
デジタルミキサーにも接続する楽器を想定した「プリセット・チャンネル・ストリップ」機能が搭載されるようになり、ますます設営がイージーな方向に向かっています。
別にオイラ自身が努力したワケではありませんが、SMAPの「夜空ノムコウ」の歌詞のようにオイラはいま、「あの頃の未来」に立っていると実感しております。
なんてな。
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▼IMFORMATION
● 月イチ定例やまぼうしライブ
※2020年4月から当分の間、中止とします
会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし
住所 静岡市葵区辰起町8-17 電話054ー271ー1602
料金 500円 (ワンドリンク付き)
▼参考リンク
BLUES和也のSoundCloud
GarageMihoのYouTubeチャンネル旧ブログ「だからPA屋なんですってば」のアーカイヴ
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