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若かりし頃、オイラの人生観にもっとも多大な影響を与えた人物は間違いなくアントニオ猪木です。
さらに言えば、事実上の「猪木のスポークスマン」であったプロレス専門紙「週刊ファイト」の名物編集長・井上義啓氏の言葉・文章にも尋常でない影響を受けています。

いちファンの域を超えてしまった猪木の大ファンは、自らを「猪木信者」と称します。
はい、オイラがその一人です。

「猪木信者」は「猪木イズム」を実践することを自らの課題に掲げます。
しかし、「猪木イズム」に明文化された教義はなく、専ら信者ひとり一人の理解に委ねられていると言えます。

では、オイラにとっての「猪木イズム」とは何か?
一言で言い表すのであれば、ズバリ「ネガティブ・パワー」となります。

人間に行動を起こさせる「一番の動機」となるものは、夢や希望といったポジティブな「目標」ではなく、屈辱、怨恨、恥辱、今にみてろよ!といった、ネガティブな「怒り」である、ということ。

その怒りを内に秘めながら、黙々と「世界で一番過酷(と自認している)なトレーニング」を続けていく、という生き様に強烈な共感を覚えたワケでございます。

なんつーか、時代錯誤丸出しの「昭和のスポ根マンガ」の世界観ですが、実際、そうだったし、今もその影を引き摺って生きています。

そーいえばオイラ、20代の頃に、中学・高校時代の友人の強い薦めにより「自己啓発セミナー」を受講したことがあります。
1980年代、いくつもの「自己啓発セミナー」が誕生しては、その高額な受講料と強引な受講者勧誘が社会問題化したこともありました。

オイラが受講したのは業界大手と言われた「ライフダイナミックス」
研修内容は、検索すれば多数ヒットするので興味のある方は探してみてください。

よーするに「洗脳」です。

受講者の今までの人生観を否定し、本当に人間らしく生きるには・・・と言った「清く正しく美しく」の精神を植え付けようとすすものです。
んで、4日間の「ベーシックセミナー」を受けた受講者の大多数は、目の前がぱーっと開けたような気がしてしまい、引き続き「アドバンスセミナー」の受講をその場で申し込んでしまう、というのが定番の流れ。
なお、その後は、あなたの友人もぜひこのセミナーに参加するよう勧めてください、という流れから、強引な勧誘に走ってしまうというオチ。

とはいえ、教義の内容そのものは決して悪いものではない。
たとえば「今まで、やろうやろうと思いながら何年も先延ばしにしていたことはありませんか? その一歩を踏み出しましょう!」といった動機付けはとても有意義だと思ったし、実際、このセミナーの影響からアクティブに生きるようになったと自認しています。

し・か・し

人間は私欲を捨て、隣人を大切に思い、みんなで力を合わせて平和な世界を築いていこう、と言った「お花畑」理論にはまったく賛同できませんでした。

当時のオイラはゴリゴリの猪木信者であり、前述のとおり、人を行動に駆り立てるイチバンの動機はネガティブ・パワーである、という考えだったので、トレーナーたちの没個性的な立ち居振る舞いにはまったく共感できませんでした。

ベーシックセミナー終了後、トレーナーが引き続きアドバンスセミナーも受講するよう勧誘してくるワケですが、オイラは明確に拒絶しました。

「僕の生き方はあなたたちとは違います。」

100人近い受講者の中でアドバンスセミナーの受講を拒否したのは、オイラを含めて5人にも満たなかったと記憶していますが、あのときほど「猪木イズム」を第三者に吐露したことはなかったな~と述懐します。

そんなワケで、業界大手の「洗脳ビジネス」をも打ち負かした(?)「猪木イズム」は、Wikipediaによると「わが国において、宗教を超え、もっとも信仰を集めている思想」と評価している学者もいるそうな。

あれから何十年も経過し、さすがにオイラの人生訓にも変化がありましたが、根本的な動機付けは未だに変わっていません。

現在においても、オイラの歌や楽器の練習の動機付けとなっているのは、ヘタクソだった頃にいやと言うほど味わった屈辱感、敗北感を克服したいという一心からです。

猪木の肉体は滅びても、猪木イズムの伝承は滅びることはありません。
なんてな。

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▼IMFORMATION
● 月イチ定例やまぼうしライブ
  ※2020年4月から当分の間、中止とします
会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし   
住所 静岡市葵区辰起町8-17 電話054ー271ー1602
料金 500円 (ワンドリンク付き)
▼参考リンク
BLUES和也のSoundCloud
GarageMihoのYouTubeチャンネル旧ブログ「だからPA屋なんですってば」のアーカイヴ
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