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【治療日記1】治療開始の日が決まった

普段書くエッセイとは別に、治療日記を書いていくことにしました。
これは人に読んでもらうというよりは、自分の記録の意味が大きいです。
あと、キイトルーダとレンビマの併用療法はまだ保険適用になって2年なので、経験者が少ないのです。私もネットで体験談などを探すのに苦労したので、これが同じ治療を受けるか迷っている人などの参考になれば、という気持ちもあります。
そんなわけで、【治療日記】のタイトルがあるものは、本当に興味のある人だけ読んでもらえればと思います。
エッセイは別に書いていきますので、基本的にはそちらを読んでいただければうれしいです^^ よろしくお願いいたします。

Kaoriより

2024年2月28日(水)

今日は前回の追加検査の結果を見て、治療スケジュールを決める日だった。
「悪性腫瘍に反応する」という血液検査の一部に、なんだか恐ろしい数値が出ていたが、もうよくわからないので詳しく聞くのはやめた。とにかく私の体はもうガンでいっぱいなのだ。それだけはわかった。

主治医から改めてキイトルーダとレンビマの副作用について聞く。
重篤な副作用が起こる可能性があるのはキイトルーダのほうだが、起こる確率はかなり低い。対してレンビマの副作用は必ず起こるものが多いが、死に至るような重篤なものではない。

3週間に一度、1泊入院してキイトルーダの点滴を受ける。これは30分程度で済むらしい。抗がん剤で4,5時間やっていたことを考えれば、「なーんだ」という感じだ。
レンビマは飲み薬で、最初は20mg(10mg×2錠)からスタートする。飲んだその日から副作用は出るようだ。
高血圧は必ず起こるので、血圧を下げる薬をもらった。あと、手足が荒れるので保湿剤。それから関節痛を和らげるロキソニンとセットの胃薬(胃が荒れるから)。倦怠感も絶対起こるようだが、これはもうどうしようもない。横になって耐えるしかないのだろうな、と思う。下痢もよくあるので、1日4回以上下痢するようなら言ってほしいとのこと。
それから、キイトルーダの重篤な副作用が万が一起こったら、すぐに病院に電話することも強く言われた。「どんな症状ですか?」と聞くと、体がむくんだり、体全体に発疹が出たり、とにかく「明らかに何か違う」と自分でわかる症状が出るらしいので、そうなったら一刻も早く連絡をして病院に来るようにとのこと。

レンビマの副作用に耐えられない場合は、量を減らしたり2,3日休薬したりするようだが、「やめたら効果が出ないので、最初はできるだけがんばってほしい」と言われ、俄然やる気が出た。私は案外ガマン強いのだ。しんどい・痛いだけなら、もうこの2年間ずっと耐えてきたのだから慣れている。そのレベルの副作用はがんばって耐えてやろうと思った。(重篤なものはすぐに連絡するけど)

「いつから始めますか?」と主治医。
もうやると決めたからには少しでも早い方がいいので、「3月4日の月曜から」と希望した。
主治医も「一緒にがんばりましょう!」と言ってくれる。
大丈夫。きっとなんとかなると、強い気持ちで診察室を出た。

その後は入院手続き。もうここでの入院手続きは15回くらいやっているので手慣れたものだ。でも、久しぶり。
呼ばれて部屋に入ると、看護師さんが手続きの書類を用意して、入院中の食事のことなどを聞いてくれる。
私は覚えていなかったのだが、担当の看護師さんが「久しぶりですね~!」と言ってくれたのでびっくりした。本当に私のことを覚えていたのかもしれないし、入院のデータを見て言っているだけなのかもしれないし、それはわからない。
だけど、その言葉だけでなんだか親しみが湧いたし、安心感があった。

この部屋に入ると最初に体重を量るのだが、「めちゃくちゃ痩せたんじゃないですか?」と驚かれた。「はい、前の入院からは10キロ以上減ってると思います」「そうですよね~」などという会話をし、「また頑張りましょうね」と優しく励ましてもらって書類を持って部屋を出た。

その後は入院手続きの窓口へ。ここの担当のお姉さんは変わっていなかった。とにかくテキパキしているのだ。
軽い点滴だけなので大部屋にすべきなんだろうけど、私は人がそばにいると本当に何もできなくなってしまうので、一応個室を希望した。(当日までとれるかどうかはわからない)
手厚い入院保険に入っているので、入院したら1日2万円、通院だけでも1日1万円出るので、個室でも金銭的には問題ないのだ。(大部屋にしてこのお金を貯めておくということもできるのだが、お金より一人の空間がほしい)

手続きが終わったので、病院の敷地内にある薬局に寄り、処方箋の薬を購入して帰った。もうレンビマも入っていた。入院する朝、食後に飲んでから病院に行くように言われているからだ。
ロキソニンや保湿剤など、薬でいっぱいの袋を持って支払いをしようとしたらびっくりした。金額が5万円を超えていたからだ。ほぼレンビマ代。

レンビマ(20mg)を1か月飲むとすると、なんと約57万円!!
キイトルーダを月に2回点滴したら、約43万円!!
つまり、1か月で合計100万円の治療費がかかるのだ。

これが保険適用になったので、窓口負担は3割。およそ30万になる。
それでも高いやん……とびびった方、ご安心を。
高額療養費制度(限度額適用認定証)を使えば、本人の課税所得に応じて、月に支払う限度額は57000円~80000円くらいに抑えられる。(払い戻される)
私は昨年度はほとんど仕事らしい仕事もしていないし、収入がガクンと減っているので、たぶん毎月5万円台で収まると思う。
こういう時だけは日本の保険制度に感謝する。毎月100万円かかる薬代が5万円で済むのだから。まあ、その分、毎年何十万円も保険料を納めているのだが……。

とにかくそういう高額な薬が2年前に保険適用になり、私はその治療を受けられることになった。ありがたいことだ。
がんばろう。
まずは月曜日までにできるだけ仕事を終わらせておくことだ。

次回の【治療日記】は3月4日にお届けします。


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