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「逃げ出したくなるほど熱いです!」

今朝は気分がよかった。
6月中、仕事がハードな日が続き、締切後は人と連続で会って遊んでいたら、やはり2日間ほど使い物にならなくなってしまった。
正確に言えば、本当に使い物にならなかったのは1日だけで、昨日の午後は少し回復し、急ぎの修正にもスピーディーに対応できたし、夕方はひじきと大豆を炊いたり、夏野菜のマリネを作ったりすることができた。
そして、今朝は完全復活!!
2日ぶりに布団をあげることができた。(私はベッドではなく和室に布団を敷いて寝ている)

鍼灸が効いている。それもものすごく。
顕著なのは疼痛の緩和だ。これまで「仰向けに寝る」という体勢になると、お腹の腫瘍が内蔵を圧迫するのか、2時間も寝ていられなかった。夜中に起きて体を立てて、湯たんぽでお腹を温めているとマシになるが、寝ているとまた痛くなる。また起きる……。その繰り返しだった。
そして、午前中はたいていその痛みを引っ張っていて、動けないことが多かった。

それが、だ。
先日もnoteで書いたが、鍼灸に行き始めてからしばらくして、その痛みがかなり緩和されるようになった。寝ていてもあまりお腹が痛くならない。それだけでもう奇跡が起きたような気持ちになって、幸せでたまらない。
昨夜はほとんど痛みがなく、睡眠薬なしで4時間くらい連続で眠ることができた。それに、朝起きても痛みがない!

鍼灸は週に2回通っている。数えたら5月半ばからすでに12回行っていた。
毎回40分くらいかけて、先生がしっかり手技での無痛整体と鍼灸をしてくれる。
この整体がまたすごくて、「いやいや、ふざけてますか?ちゃんとやってくださいよ」と言いたくなるほど、そっとしか触らない。そんなのでわかるのか、治るのかと不思議で仕方がないが、先生の指先ではちゃんと「何か」が行われているのだ。
もちろん最初に説明もしてくれて、筋肉の膜がどうとか、ねじれがどうとか、脳からの神経がナントカとか、いろいろ丁寧に話してくれたが、正直なところいま一つ理解はできていない。

お灸は片足に4カ所ずつと、手の親指と人差し指の間のところにすえられる。始めて5回目くらいまでは、左足の1か所だけが異常に熱かった。他はそうでもなく「熱気持ちいい」くらいなのに、なぜかそこだけが、もう暴れ出したくなるほど熱いのだ。
仰向けに寝ているので見えないのだが、イメージとしては、火を押し付けられて皮膚が焼きただれているくらいの熱さ。熱いというより痛い。

先生に「そこだけ逃げ出したくなるほど熱いです」と言うと、異常な熱さを感じる箇所は、やはりそのツボにつながるところが悪いということだと言う。逆に、がんの人は免疫力が下がっているから、どこにお灸をすえてもまったく熱さを感じない人も多いらしい。
「Sさん(私)はちょっと普通のがんの人とは違いますね。舌もきれいだし、ご自分でケアをがんばっているのがよくわかる体です」
そう言われて、なんだかちょっと泣きそうになるくらい嬉しかった。
去年の8月から毎日1時間半かけて自分で温灸もやってきたし、水素吸入や食事療法など、いろんなことをがんばってきた。なんだかそれを初めて認めてもらえたように感じたのだ。
そして、最近はその「逃げ出したくなるほど熱い」箇所も、他のところと同じように「熱気持ちいい」くらいに変わってきた。それと並行して痛みも緩和されてきたように思う。

お灸と同時に鍼も打ってもらうのだが、いつも指でツボを押さえ、狙いを定めて鍼を打ち込む時、何か先生の「気」のようなものを感じる。
鍼は痛みはないし、ほとんど刺された感覚もない。
だけど、この間、「ううっ!」と唸るほど、ずーんと響くものがあった。先生が失敗したのかと思った。もちろんそんなことはなく、しっかりツボに入って、私の体がちゃんと反応できているとのこと。
鍼灸に限らず、東洋医学って神秘的なものだなぁと思う。西洋医学の高度な技術も素晴らしいが、東洋医学は人の体に寄り添って、その人が本来持っている“生きる力”を手助けしてくれるように思う。
あくまでも「手助け」だから、即効性はないし、完治できないものもあるのかもしれないけれど、その「手助け」で無理なものは、もう寿命だとあきらめるべきなのかな、とも思ったり。

極端な話、管だらけの体で心臓を動かし続けることが、果たして「生きる」ということになるのかどうか、ということ。
私や今病気の人だけじゃなく、こういうことはすべての人が真剣に考えてみてもいいことなのかもしれない。誰しもいつかは必ず死ぬのだから。

何にしろ、少しずつ、少しずつ、良くなっていこう。この体と仲良く付き合っていこう。

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