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酒のない人生なんて。

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日本酒ライターが語る、酒のあれこれ。
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新ジャンルの日本酒「クラフトサケ」を知っていますか?

「クラフトサケ」というものを紹介する前に、まずは清酒製造免許について説明しておかなければならない。 酒造関係者以外は知らない人が多いと思うが、実は「新たに酒蔵を立ち上げて日本酒を造りたい」と思っても、国内で日本酒を製造する免許というのは新規に取得できないことになっている。(海外輸出向けの製造免許は下りる) たまに「新しい酒蔵ができた」と聞くが、あれは廃業した酒蔵の免許を譲渡してもらって清酒製造業を継承しているだけで、新規に免許を取得したわけではないのだ。 これは別に意地悪で

決して揺らぐことのない醸造哲学をもつ蔵元たち

4月20日に私がライターとして取材・執筆している日本酒の業界誌『酒蔵萬流』32号が発行された。 ▼酒蔵萬流についてはこちらから▼ 私の今号の担当は、 ●今西酒造(奈良県)「みむろ杉」「三諸杉」醸造元 ●川西屋酒造店(神奈川県)「丹沢山」「隆」醸造元 ●天理すぎ乃 本店(奈良県) ※今西酒造に推薦していただいた飲食店 (敬省略) 今西酒造、川西屋酒造店、まったくタイプは異なるが、どちらもしっかりとした「醸造哲学」を持って酒造りをしている酒蔵だった。 取材の裏話など、今回も

誠実な酒造り、美しい酒造り。

体調が良かったり悪かったりの繰り返しで、noteの更新が思うようにできていない。 ああ、そうだ。私がライターとして参加している日本酒業界誌『酒蔵萬流』の最新号も1月20日に発行されたのに、その振り返りすら書いていなかったことに気づく。もう1カ月半も経ってしまった! ▼その前の号は、珍しく発行日に書けたのだが。 ちょっと(というか、かなり)遅くなったが、自分の備忘録的なものなので、今からでも書いておこうと思う。 今回担当した記事は4本。(敬省略) ●酒蔵:玉乃光酒造(京都

日本酒専門バーのスタッフをやってみたら……

「好きなことを仕事にするほうがいいのか」という話題はいろんな人の間でよく挙がるし、noteでも何度かそんな記事を見かけたことがある。 少なくとも私は、25年もライターの仕事をしているけれど、ただの一度も嫌だと思ったことはないし(自分の才能のなさに打ちのめされることは幾度もあったが)、仕事はずっと楽しい。好きなことを仕事にできてよかったし、幸せだと思っている。 ただ、他の職業も経験してみたかったと、少しだけ欲張ってしまうことはある。学生時代のアルバイトも含めれば、飲食店、ケ

本日、日本酒業界誌『酒蔵萬流』30号が発刊されました!

私がライターとして携わっている日本酒の業界誌『酒蔵萬流』の30号が本日発刊された。 2年前まではライター2人でやっていたので、酒蔵だけでも毎号3~4蔵は書かせていただいていたのだが、ライターが4人になったので今の担当は2蔵くらい。減って寂しいような気もするが、書いていると身を削られるので(難しすぎて)、これくらいがちょうどいいかなとも感じている。 noteを始めた理由として、『酒蔵萬流』の取材の振り返りを書いておきたいということもあったのに、怠惰ゆえ、まだ一度も書けていな

酒瓶の裏ラベルは、CDのライナーノーツと同様だ。

昔は日本酒のラベルといえば、達筆な筆文字で銘柄が縦に書かれているだけのようなものしかなかったが、この10年くらいの間にどんどん変わってきている。 ローマ字で横書きの銘柄、可愛い動物のイラストやモダンなデザイン、紙のラベルを貼るのではなく瓶に直接プリントされたものもある。 たとえば、こんなのとか…… こんなのもある(笑)。かわいいよね。 思わず「ジャケ買い」してしまいそうになるし、日本酒は難しいと思っている人にとってもなんとなく手に取りやすいのではないだろうか。 ただ、「