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Tips:clusterで大規模な展示会をする

この記事は「cluster Advent Calender 2022」の18日目の記事です。昨日は@tsgcppさんによるUnityでMoqを使う(Unity2021バージョン)という記事でした!ソフトウェアエンジニアすごい(小並感)

はじめに

こんにちは、クラスター株式会社でインターンとしてCGデザイナーをしている荊棘そら(いばらそら)です。この記事では、clusterで大規模な展示会を行う流れを9月に行ったイベント「KUA通信イラストレーションコース非公式芸大祭」を参考に話していこうと思います。

この記事で紹介するイベントは既に終了していますが、clusterにワールドとして残っています。参考にされる場合はそちらも併せて見てもらえるといいと思います。


イベントをやろうと思ったきっかけ

「KUA通信イラストレーションコース非公式芸大祭(KuOG2022)」は、今年の2月くらいに京都芸術大学(KUA)への入学を決めたときからやりたいなぁ、と考えていました。僕は現在、京都芸術大学通信教育部デザイン科イラストレーションコースに在籍しているのですが、名前からわかる通り通信制の美大です。

特にイラストレーションコースは完全通信制ということもあり、大学に行くことはほとんどありません。僕自身入学前に外から眺めた程度で中に入ったことはないです。学生同士の交流もTwitterやDiscordが主だったりします。

大学には課題としてイラストを提出するのですが、今までに提出した他人のイラストを見る機会はほとんどありません。評価が返ってきたときにツイートする人もいますが、流れてしまうこともあります。そのため、課題イラストをお互いに見合いたいなぁ、と思って計画しました。


イベント開催にあたってのスケジュール

イベントを開催するにあたってのざっくりとしたスケジュールは以下の通りです。初めの試みだったため、今回のスケジュールは結構かつかつでした。

特にワールドの制作期間は1カ月~2カ月ほど見積もっておいた方がいいと思います。後述しますが、展示作品が多くて無事撃沈しました。

どれくらい展示するのかを最初に決め、余裕を持ったスケジュールで進めるといいでしょう(教訓)。

  • 7月中 イベント考案

  • 8月中 展示作品募集

  • 9月上旬 イベントワールド作成(2週間)

  • 9月中旬 イベントワールドデバッグ(1週間)

  • 9月下旬 イベント当日準備・運営


展示作品の集計

作品の集計にはGoogleフォームを使用しました。提出してもらったものは、アイコン・イラスト・キャプションボードです。各項目の詳細は以下の画像を見てもらえたらと思います。

実際のGoogleフォーム

Googleフォームで集計を行うことによって、提出された画像がGoogleDriveにアップロードされます。今回は展示作品が多かったため、導入しませんでしたが「Url Texture」という機能を使うことで入れ替えが簡単になったりします。展示枚数が少ない場合や入れ替えを頻繁に行う場合は導入をおすすめします。



イベントワールド制作準備

展示作品の集計が終わったらイベントワールドの制作準備に入ります。初めてのイベントでありながら出展者67名・展示作品170枚と予想以上に多くなってしまったので、それに合わせたワールドを作成しました。

ワールドの作成には、Cluster Creater Guideの「思い出を飾る展示会場をつくってみよう!」を参考にさせていただきました。サンプルプロジェクトのAsset/ClusterTutorial/Prefabs/1-1にあるPhotoFrameを使っています。

まず、仮のワールドを作り展示作品の大きさを決めていきます。展示作品の大きさが決まるとワールドの大きさも決まってくるので、はじめに決めておきましょう。

仮ワールド
仮展示・サイズ検討

次に、PhotoFrameに展示作品をすべて飾っていきます。単純作業ですが、170回も同じことしていると見えちゃいけないモノが見えてきます。適宜休憩しながらやるといいでしょう。

PhotoFrameに作品を展示している様子

イベントワールド本制作

イベントワールドの制作準備が整ったらイベントワールドの本制作を行っていきます。まず、展示作品の場所を振り分けます。今回は課題の展示だったので、配当学年ごとにわけることで5階層になっています。

  • 1階 メインビジュアル

  • 2階 1年次配当科目1

  • 3階 1年次配当科目2

  • 4階 2年次配当科目1

  • 5階 2年次配当科目2・3年次配当科目   

次にそれぞれの階層の間取りを決めていきます。今回のイベントワールドのコンセプトは僕の独断と偏見によって「純白の美術館」になったので、それっぽい間取りを友人と一緒に考えました。そのため、現実では不可能な階層ごとに間取りが全く異なる美術館が完成しました。それでも建物が崩壊しないのはバーチャルのいいところですね。

1階ロビー

1階はロビーになっていて、ワールドに入ると大きなメインビジュアルがお出迎えしてくれます。メインビジュアルは今回のイベントのために同学の方に書き下ろしていただいたものなのでどーんと設置しました。

ワールド入室時

矢印に沿って進むとロビーがあります。スクリーンとコメントボードがあってイベントのポスターが貼ってあります。

ロビー

矢印に沿ってさらに進むと各階へ移動できるワープステーションがあります。元々ここはエレベーターだったのですが、イベントは100人を超えると透明なゴーストになってしまいアイテムを持ったり使ったりできなくなります。そのため、ゴーストでも使用できるワープポータルを使っています。その他、イベントワールドを制作する際の制限などを確認しておくといいでしょう。

ワープステーション

1階ロビーを上から見るとこのような形になっています。作品を見て回るのが目的のため、他の階と比べてかなり小さい作りになっています。

黒い線と矢印は各階にあって順路を示しています。床も壁も天井も白いため、迷子が続出したためです。ワールドを作る際には順路がわかりやすいことも大切です。

上から見た1階ロビー

2階「惑いの間」

2階は1年次配当科目1が展示してあります。

2階通路の様子
2階小部屋の様子

1階以外の階には非常口が設置してあります。迷子になった際や待ち合わせの際にすぐに1階ロビーに戻るためのものです。

各階に設置してある非常口

入学してから初めて取り組んだ課題の展示をしているため、入学時の戸惑いを表現するために通路がくねくねしています。小部屋が2つあってそれらを通路がつないでいるような構造をしています。

上から見た2階「惑いの間」

3階「嘆きの回廊」

3階は1年次配当科目2が展示してあります。入室するとすぐに人間の骨がお出迎えしてくれます。そのまま進むと途中で階段を上って半3階に行きます。階段にも展示をしてあったりします。

3階通路の様子
3階階段の様子
上から見た3階「嘆きの回廊」

4階「見えざる天井」

4階は2年次配当科目1を展示してあります。入室すると天井まで伸びる4本の柱が目に留まります。そこから先に進むと三角形の小部屋につながっています。

4階4本の柱
4階小部屋
上から見た4階「見えざる天井」

5階「開花の螺旋」

5階には2年次配当科目2と3年次配当科目が展示してあります。丸い壁に作品が展示してあり、上には梁があったりします。

5階展示の様子
上から見た5階「開花の螺旋」

参考にさせていただいたワールド

イベントワールドの制作にあたって参考にさせていただいたワールドがあります。あすてろidさんの「美術館」というワールドです。

あすてろidさんは、TwitterやPixivを中心に活動されているイラストレーターの方でclusterにいくつかワールドをアップロードしています。その中でも自身の作品を展示している美術館は、僕のお気に入りだったので参考にさせていただきました。皆さんもぜひ訪れてみてください。


最後に

イベント当日は出展者の方たちとお話したり、来てくれたお客さんとお話をしたりとても楽しい体験ができました。同学のVtuberが当日の様子を配信してくれたので、当日の様子が気になる場合は見てみてください。

clusterで大規模な展示会をするには力が必要です。僕は力が足りず、ライトベイクから逃げてしまいました。それはそれである意味唯一の美術館になったと言い訳をしておきます。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

明日は@kaznishiさんによる初epic owner務めた感想という記事です!


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