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Blue Prismベストプラクティス 設計編 6 データ入出力の効率性 - RPA Ready?

ども。

「ジャナイホー」による「ベストプラクティス」シリーズ、今回は、設計編6 データ入出力の効率性 についてです。

データ入出力の効率性

「業務オペレーションの自動化」においては、ときとして、人間の操作をそのまま実装すること、は、必ずしも適切(効率的)ではない場合があります。

皆さんよく使うであろう、クリップボード(コピー&ペースト)も制約がありますしね。

この点、ロボットは、人間よりも記憶力があります。(いや、正確なところは分かりませんが)

例えば、二つのアプリケーション間でデータをコピー&ペーストする場合があったとします。

人間ですと、二つの画面を横に並べて、ひとつひとつ、左から右へ、コピーしてペーストして、をえっちら、おっちら、繰り返すような操作をします。

でもロボットでは、画面上に表示されている全部の項目の値を一気に読み込み、もう一つのアプリケーションへ一気にすべて書き込む、なんてわざもオテノモノです。

また、もしかしたら、画面を開いて操作する、ということも、APIを使ったシステム連携ができれば、その方が圧倒的に効率的でしょう。

メインフレームのエミュレータ画面を開いて操作するよりは、もし、メインフレームから構造化されたファイルを出力することができるのであれば、それを開いてデータを読み込む方が効率的である場合もあるでしょう。

ロボットですので、不埒な考えは起こしません。信じてやってください。

Blue Prismで内部統制準拠したプロセスを作れば、別に、コピー&ペーストを制限した画面から値を頑張って抽出しなくても、I/Fプログラムを介して重要データのデータソースに直にアクセスしたって良いはずです。

データの入出力、設計の時点で、ロボットならでは、を考えてみて下さい。例えば、、、
・ 「画面操作」 より、「API連携」や「システム連携
・ 「Excelのフィルタを使って絞り込む」 より、「全データをCollectionに読み込んでから、Blue Prism上で必要なデータに絞り込む
・ 「PDFからOCRで読み込む」 より、「PDFの元ネタを生成するデータベースにアクセス
・ 「2つのシステムを同時に開いてコピー&ペーストを繰り返す」 より、「一度にすべてを読み込んで、一気に別のシステムへ書き出す
などなど、です。

適材適所 。。。 「RPA Ready?」

RPAが万能なツール、魔法使いの杖、だったら良いのですが、現実はそうではありません。やはり、RPAに向いている業務、向いていない業務ってのも、正直あります。

これについては、また別の機会にお話しししたいと思いますが、ROI回収、という観点で、ユーザの言いなりにならない、強い心をもって設計・開発をやってもらいたい、、、です。。。

業務全部を自動化しようとするのではなく、「構造化データの作成までは、なんとかやってよ」、とか、「画面から画像認識やOCRを使ってデータを抽出する」、のではなく、「CSV出力する外部I/Fプログラムを作る」、とか、です。「RPA Readyな状態まで、データ準備を人間系で行う」というのも、立派なソリューション設計です。

実際の皆さんのプロジェクトにおいては、
・ 重複チェックや重複行の排除
・ 複数のMS-WordやPDFの文書の中から、差分を比較して、違いを抽出する
・ 様々なフォーマットの請求書から、必要な情報を抜き出す
とか、色々な要件があると思います。

人間がめんどくさいから、ロボットに任せたい。(それはそうなんですけど、、、)

OCRの技術も確立している、図表含めた精度の高い差分抽出プログラムがある、重複チェックも機械的にパフォーマンスを気にすることなく実装できる、であれば、いいですけど、これらも含めて、RPAで実現したい、というのは、ちょっと気を付けたいですね。。。

ユーザの夢は広がりますが、でも、待って
RPA Readyですか?

最初は、簡単なところから、RPAの得意な領域からやっていきませんか?
、というか、RPAが得意とする形にまで、先ずは持って行くようにしましょう。

RPAが得意な業務は、
1. 処理件数が多い
2. 手順がころころ変わらない、枯れている
3. 繰り返し行われる
4. 実行頻度が高い
5. パターンが少ない
です。

長大な一連の業務のうち、その中でも特に、上記に当てはまるオペレーションを選別して、そこからRPAで実装する、とするのが良いと思います。

そこから、そこだけでも、ROIを先ずは少額でも確実に回収したい。。。

まとめ

ユーザのオペレーションをそっくりそのまま自動化する、というような、
旧時代のRDAの手続き型のスクリプト形式のレコーディングっぽい、
やり方でロボットを作る、のは、ちょっと待ってください。

もっと効率的で正確なやり方がないかどうか、是非一度、立ち止まって考えてみてほしいと思います。

絶対、後から無理がたたってくるんですよね。。。あとで苦労しているRPA開発者のなんと多いことか。

「そもそも上流から○○を少しだけでも変えることができないんでしょうか、、、」
「プロセスをもう少し分割して、整理して、不得意なところは人間に任せませんか、、、」
「そんなことわかってるよ。。。言ったけど通用しなかったよ。。。」
という開発者や監視者の嘆きが聞こえてきそうです。

、、、ですよね、、、

地道に、良いロボットを作って、少しずつ、発言権を強めていきましょう。。。

さて次回、ロボットから人間へのコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

※本投稿は、別ブログで掲載・公開していた内容に加筆・修正を加え再掲載しています。