キャラの性格作りに分断した「自己」を使おうというお話
俺の考えたキャラクターがかわいくない!
上手くしゃべってくれない!
と思って先に進めないときに内心叫び声をあげる。そんなことが往々にしてあるみたいです。動画投稿者って。
今日はそんな動画投稿者の内なる欲求、うちの子かわいい欲に関わるキャラクター像の掘り下げについて。
で。そもそものキャラクター像の捉え方は人それぞれ違うと思えます。思いつくところでいうと、投稿者自身の投影だったり、自分の深層心理にある好みのキャラクターであったり、シチュエーションから入るタイプだったり(これはキャラクター像というよりは場面に合わせてキャラクターが作られている)、などが思い当たります。
掘り下げが上手くいってないときはキャラクターへの理解が足りていない、ということではありそうです。編集中にはそれが現れると冒頭のような叫び声をあげることになるのですね。
投稿者ってはたから見たら厄介な生き物ですね。そんな生態を三年続けてるやつが書いてます。
私の場合、台詞に困るときは頭の中で動画に出てくるキャラクターへの切り替えが上手くいかないときですが、軌道にさえ乗ってくると脳内で勝手にしゃべってくれます。
でも困っている人は台詞に詰まっているからしゃべってくれる、という感覚は薄そうだなという感想も。
ということで、今回はあくまで私なりのキャラクターの作り方を話してみましょう。というお話です。
分断できる自己によって「私」は成り立つと考える
なにか哲学的な話がはじまりそうですが、そんなにたいしたお話じゃない、はず、です。
物語におけるキャラクターの作り方、となるともっとややこしくて理論的なものがはじまります。そんな大仰なものでもなく、あくまで動画内で使う分の自分が把握できる範囲での話であれば、多くても5人程度になるかと思います。
キャラクターの掘り下げが困難になる要因として、ひとつは喋らせているとキャラクターと自分を同一視してしまうというのがあります。
「自分の想像ではこんな口調をしていないのに!」とかいうギャップに苦しむやつですね。
キャラクターを自己投影させてしゃべらせる、そう割り切れる方なら別段そこで終わる話です。ですが、たとえば複数人数を扱う場合は同じ喋り方をしたキャラクターが複数存在してしまうわけです。
口調も性格も返しも同じ特徴を持つキャラクターが並んでいるとたしかに混乱しますね。
しかし、自己投影させながらしゃべらせるのはほかの方法に比べて簡単なのです。省エネですし。自分ならこう話す、というのを掘り下げるだけで良いので。
ということで考え方を変えてみましょう。
自分の性格を「シチュエーションに応じて分断」しましょう。
そして、分断した個々の性格を「一人のキャラクター」として扱いましょう。
なにをいってるんだといわれそうですが、これはいわゆる「ペルソナ」という概念です。背後に霊的な存在を従えることではないです。
心理学における「ペルソナ」は有名なのでご存じの方が多いかもしれません。
「ペルソナ」というのは、人間がシチュエーションにあったいろんな顔を使い分けている、という心理構造のことです。
上司に相対しているときの自分、ネットにいるときの自分、ひとりで過ごしているときの自分、おそらく話し方もそれぞれ違うと思います。
私のキャラクター像の掘り下げはこのペルソナ概念を分断してキャラクターに転化してしまおうという考えです。
これなら根幹にあるのはすべて自分につながっているため、ある程度自然な描き方ができる、という考え方です。
とはいえ、自分と対局の位置にいたりするキャラクターは喋らせられないということはあると思います。
よくある(よくあるの?)と思われるのは、自分の性格からかけ離れた天然系のキャラクターを登場させるにはどうしたらいいかということとか。
そういう場合は登場頻度を落として事なきを得ましょう(ことなくない)。
ここでいいたいのはあくまで主要レベルのキャラクターが上手く動かなくて困る、という所の解決の一助であって、サブキャラまでではいかないということでした。まぁそこで困るなら世にあるちゃんとした理論を読んだ方が良さそうです。
ちなみに私も天然系のキャラクターを出したくて出してますが、根幹にあるのは「ほかの人と違った反応をしたほうが面白そう」という行動原理から来ています。
天然系のキャラクターは通常想像する行動規範に則らない、すこしズレた回答をしていればそう見えるように思えます。受け取る印象に対し、すこしずらした行動原理を持つと想像することですね。
(なお不可思議な言動を繰り返すのは「天然」ではなく「電波系」だと思っているのでここでは取り上げません)
ただ、ここでキャラクター像になり得る自分というのは、いろんな面から照らした自己をどれだけ取り上げられるか、という客観的な視点が要求されます。
たとえば私なら、こういった性質を持っていると思っています。
理性的な判断を優先する
根幹では真面目にやらずに適当に済ませたい
物事への取り組み方自体は真面目
同じ人と被ることを嫌う
こんなかんじの一面性からキャラクター像を作り上げ、それらの「自己」同士にしゃべってもらっている、というのがおそらくあります。
実際の動画では、キャラクターがしゃべるときにそれぞれの「自己」になりきれるかという所です。
ちなみに上記の例だと4人までしか喋らせられないじゃないか、というご指摘はもっともです。できればもっとたくさんの面から自分を分断していきましょう。
何パターンかできてくると自己同士のブレンドでさらにもういくつか作れます。
自分を掘り下げるということ
要は自己分析をしろ、という履歴書の書き方みたいになりました。
履歴書と違う点といえば表向きに出さなくていいネガティブな面もキャラクター性の一助になり得るという点です。
キャラクターにはそういったネガティブな側面があったほうがそれらの忌避反応から扱いやすくなることもあります。
自分を掘り下げるという行為はメタ的な視点を養うという意味では有意味で、慣れてくればキャラクターの設定の肉付けにも役立てると思います。
わざわざ他人を想像するよりも一番近い人物像を考えた方が心理面を考えるにはやりやすいですからね。
というわけで、今回は私なりのキャラクターの掘り下げ方でした。
私は心理学のいろんな書籍に目を通しているのもあり、自分をよく観察対象にするため、こういうやり方になるんでしょうね。まぁ、こういう方法もあるんだーくらいで。
また、自分を客観視するなら友人などにどんな印象を持っているか、一度聞いてみるのもいいかもしれません。他人から見た性格というのはやはり心理形成には大いに影響するので。(そこであんまりいい印象が聞けなくて仲違いしても責任は持ちません。悪しからず)
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