今日も青はブルー(0803)#362

写経

祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。

奢れる人も久しからず、
ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひにはほろびぬ、
ひとへに風の前の塵に同じ。

遠く異朝をとぶらへば、
秦の趙高、
漢の王莽、
梁の朱忌、
唐の禄山、

これらは皆君主先皇の政にもしたがはず、
楽しみをきはめ、
諌めをも思ひ入れず、
天下の乱れんことを悟らずして、
民間の愁ふるところを知らざつしかば、
久しからずして、
亡じにし者どもなり。

(平家物語より 作者不明)

あまりにも生々しい醜悪に、心が荒みかけるとき、
文字に書き、口に出せば、
古のコトバが少し高い視座を与えてくれる。
そこに、祈りと救いがある。

こんな時こそ、
ごくごく飲もう、古典。

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