今日も青はブルー(1229)

 仕事納めに、アルプスごはんでご褒美。はあ、なんで幸せなんだろう。とびきり美味しい豆餅の乗った豚汁を頂きました。
 帰りに年末年始の食料を買い溜めしようと思ったら、スーパーで魚のアラが売っていました。長野の人は手をつけませんが、そこは海街の男。血が騒ぎ、購入。父のよく作っていたあら汁を、記憶を頼りに作ってみると、あら美味しい。鯛のアラをボウルの水を3回取り替えるくらいささっと洗い、特に下拵えせず沸騰したお湯に入れ、蓋をせず30分強火で煮込む。ネギを入れ、味噌を入れ一煮立ちしたら、火を止めて最後に生姜をガーッとおろして入れる。キッチンが懐かしい匂いで、ほっこりしたのでした。

 我が故郷、鎌倉には地引網という伝統漁法があります。漁師たちが協力して、とんでもなく大きな網を沖まで持っていき、落とす。そして、陸上から引っ張るのだけど、漁師さんの力では引っ張れないので、地元の子供たちの力を借りる。えいさー、と重い網を引っ張ると、少しずつその全貌が見えてくる。驚くほど大きな魚、豪華な魚が、小魚と共に入っている。大きなものは、その場でセリをして、漁師が持っていく。地元の子供たちは心得ていて、自宅から持ってきたバケツやビニール袋に、小魚を入れたり、漁師から雑魚をもらったりする。そうして持って帰ると、大抵褒めてもらえるからだ。
 父は、僕の知らない魚たちをよく知っていて、それぞれに合う料理にしてくれた。魚に対する少しの申し訳なさ、自分がとってきたんだぞ、なんとも言えない満足感を覚えている。おそらくずっと前から続く、我が故郷の風景を、あら汁をすすりながら感じたのでした。

 今日も読んでくれてありがとうございます。長野のスーパーでは、魚が僕の地元の4倍くらいの驚くような値段で売られているので、なかなか手が届きません。日本という小さな国の中なのに、こんなに違うのはおかしいのではないか、とも思うほどですが、刺身などで解体されて出るアラは比較的手が出しやすい。まあ、地元だとタダでもらえたりするけど。信州だとその手の懐かしいものはキノコとか山菜なのかしら。、、、イナゴ?

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