食欲と恋

恋を始めた頃、どうしてもあなたを恋人にしたくて必死だった。勝手に不安になって勝手にぬか喜びしてドン底に突き落とされていた。
ごはんもまともに食べれず1ヶ月で2キロも落ちた。完全によくわからない自分になっていた。

恋って怖い。


自分に自信が無いと相手にアプローチなんてできやしない。
インスタグラムのストーリーズを一つあげるにもあなただけに見て欲しくてあげていたし、遊ぶときもあなたにかわいいって思って欲しくていつも一生懸命だった。
初めてご飯に連れて行ってくれた日、お会計の時に
「細かいのない?」のセリフは男とご飯行く時に絶対に言われるとわかっていたので集合前にコンビニでたくさん小銭を作っておいた。
だから4982円の982円を綺麗に出せてしまった。
ちょっと後から後悔した。
982円を綺麗に小銭で出せてしまう女、キモくないか?

いや、そんなことないか。

しばらくして予定が合わない日が続いて遊ばなくなったし2ヶ月以上だらだらつづけた会話もついにネタがなくなってぷつりとしなくなった。
最後にした3分の通話記録があなたとの最後のLINEだった。

それからしばらく経った今、わたしはまだあなたのことが大好きだけれど考えてもどうしようもないし自分からまた何かアクションを起こそうとは全く思わない。

だって今、仕事終わりにマクドナルドに寄ってアイスとハンバーガーひとつをぺろりと平らげてしまうし、おまけにチケット発券のために寄ったコンビニで増大されたチキンまでもを平らげる。
恐ろしい。

でも楽しい。


そんな毎日を送っています、おやすみなさい。

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