「ガウディとサグラダ・ファミリア展」@佐川美術館
未完の建築物、サグラダ・ファミリアの展覧会。
建物はとても有名で、その建築家のガウディというのは知っていましたが
知らないことだらけなので滋賀県の佐川美術館に行ってみました。
展覧会としてはとても素晴らしいものでした。
アントニ・ガウディの建築家としての経歴を追い、その思想や
手法がどのようにサグラダ・ファミリアにつぎ込まれているのか
ということを見せてくれました。
サグラダ・ファミリアが少し異様に見えるためにガウディは
とても天才的で奇想の建築家だと思っていました。
しかし、ガウディは素晴らしい才能を持っていたのは確かですが、
とても堅実な手法をとるということが見えてきました。
古典的な手法から学び、それを基礎としてまた別の要素を組み合わせる
ことで創作していったようです。
彼の建築物がある種異様に見えることは当時のスペインの風土や流行を
取り入れているからで、まったく非論理的でなかったことが分かります。
ただ、論理的であるがゆえにやや完全主義的な傾向もあり、一つの事象に
10年も費やすなど少し驚くようなことも行っていたようです。
そして、肝心のサグラダ・ファミリアに至るのですが、各要素をとても
詳しく解説されていました。
柱のつくりから天井、窓のつくりまでなぜこのような形になっているのかが
説明されていました。
今回の展覧会でガウディの考えるサグラダ・ファミリアの完成形が分かると
思っていました。
しかし、実際はガウディの生前から資金難により建設は遅々として進まず、
死後のスペイン内戦によってあらゆる資料が焼失してしまったということです。
元々ガウディの建築物は設計思想は明確になっていても実際は模型を
一度作ってからでないとできないほど複雑であったようです。
ガウディの生前に本人が関わっていてもそのような状況だったのに
死後は他人が続けようとしても遅々として進まないのが実情だった
ようです。
そのようなサグラダ・ファミリアで、未完の理由は分かったのですが、
3年後には主要な建築物ができるということでした。
世界遺産に登録されて資金が集まったこととコンピュータによる設計技術が
飛躍的に向上したからということでした。
なので、このタイミングでサグラダ・ファミリア展が行われたということです。
サグラダ・ファミリアという一つの建築物ですが、その背景に様々な技術や
思想が詰め込まれていることがよく分かる展覧会でした。
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