木曜日は控えめにいって苦手です!

 何でもない1日の出来事なんて数週間後、いや数日後には忘れているものだ。まるでグラスに入った水の中の氷がじわっと溶けて形を失い周りと同じ水になっていくように。
 だから1日分くらい普通の日のことを残しておきたい。
 ただ、今日は私の嫌いな木曜日だ。1週間の疲れが溜まって、寝たいのを我慢して起きても、後1日平日が残されていると思うと、落ちこむ、そこからスタートする木曜日なのだ。なんてことだ!
 朝起きて服を着替えたら、夫がたまたまコンビニで買ってきてくれたローストチキンのサンドイッチといちごヨーグルトを朝ご飯に食べた。
 それから冬の水の冷たさと戦いつつ顔を洗い歯を磨く。この瞬間に時間が戻り月曜日になっても、逆に時間が進み金曜日になっていても私は全く気づかないと思う。なぜなら毎日大体同じ時間に、同じ手順で顔を洗い歯を磨くという動作を行なっているからだ。あー習慣って怖い。
 それから財布やら定期やらをリュックに詰め家を出る。そこから徒歩で駅に向かい、電車を2回乗り継ぎ職場へ向かう。所要時間は1時間20分。その間に、電車の席をいつも譲ってくれる心優しきおばちゃんに会ったり、電車に乗る時に一緒に人混みをかき分け車内に誘導してくれるいつものお姉さんと世間話をしたり、長いだけあってわりといろんな人と会う。
 仕事場ではひたすら子どもと関わりプリントを作り、時間を気にする瞬間もほとんど無い。まるで1日の内職場にいる間だけ、時計の針が早く回されているように。
 それからサービス残業がベースでいつ終わるともしれない会議が執り行われた。2年目だからか、アホだからか分からないが、会議の内容も正直よく分からない。ほんと座禅中の修行僧のようにチーンと座っているので精一杯なのだ。
 それからよく分からないまま時がたち、また来た時と同じようにリュックを背負って駅へと歩く。
 電車ではニュースを見たり、FacebookやTwitterをうろついたり。スマホをいじり続ける。Facebookなんかを見ていると、何年も会ってない人の昨日のご飯が分かったり、行った場所の情報やそこに対する感想が知れたりする。これは便利である。ただ、何年も会っておらず話してもいない、関係の薄い人の細かすぎる日々の生活の膨大な情報が入ってきて、言い知れぬ息苦しさというか膨満感というかそんなのにさいなまれる事がある。薄い関係の人と自分とを比べてしまう材料を増やしてしまっているからかもしれない。じゃー見るなよって自分にもツッコミを入れたいところだ。
 そんなこんなでいろいろ考えているうちに、最寄駅につきトコトコ歩いて家に帰ってきた。
 ドアを開けると夫が一人で喋る声が聞こえ、想像の友達でも作ってしまったのかと一瞬心配したが、ズームの会議をしているのだと気づきホッとした。
 そして邪魔もできないので私は寝室に引きこもった。
 もう少ししたらご飯でも食べて私は寝るだろう。
 そして何時間かしたら、こんどはまあまあ好きな金曜日が始まる。

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