オルガン体験記
素敵だし憧れるけど、自分の人生には全く関係ないだろう。そう思っていたことが、何かのきっかけで突然身近になることって、たまーにありませんか?
私は先日「パイプオルガン」を弾きました。大きなコンサートホールの壁にまるごとくっついている、あの楽器です。
調べ物をしているときに偶然、とあるホールの「オルガン体験講座」のお知らせを見つけたんです。しかも受講者の募集条件に、たまたま自分が当てはまっていたので応募したら、当選の通知がきて・・・。本当にびっくりです。
去年から独学で練習していたバッハの曲を選んで、プロのオルガニストの先生のレッスンを受けました。こんなふうに、誰かから鍵盤楽器をじっくり教わるのって、いつぶりだろう?
これまで自分なりに、インターネットや本の情報、またさまざまな演奏音源を通して弾き方などを考えてきたけれど、もはや根本から違ってた・・・というレベルでいろいろ直していただき、目からウロコでした。
バッハをきちんと学んでいる人にとっては、きっと当たり前のことで、人から習っていたら自然にわかるようなことなのでしょう。私は何も知らなかったので恥ずかしかったけど、でもこれから弾いていくときにずっと心がけていけるような、大切な助言をたくさんいただきました!
オルガンでは特に、音価を守ることを大切にしなきゃいけないんだな~と、教わっていて感じました。ピアノだと音が減衰してしまうけど、オルガンはずっと伸びているので、重なった音を聴き取りやすく、逆に言えばちょっとでも音を短く切ってしまうとすぐばれてしまうんですよね。私はけっこう見落としていました。というか、こんな美しいハーモニーが書かれていたこと、なんで今まで気づかなかったんだろう!嬉しいやらショックやらで心が忙しかったです・・・。
私は特にオルガンに詳しいわけではありません。知っている曲を聞かれたら、バッハの「トッカータとフーガニ短調」くらいしか答えられません。みなさんもあの曲のイメージが強いのではないでしょうか。荘厳な響きがすごいことはわかるけど、正直、あの音色そのものは、あんまりタイプじゃないっていうか・・・。
(音楽に限らず、私はスケール大きなものより、どちらかというとこじんまりして、かわいいのが好きなんです。)
でも、パイプオルガンって、音色をいろいろ変えられるんですね。かわいい音とか、やさしい音とかも、出そうと思えば出せるってわかって嬉しかったです。私は2曲弾いたんですけど、1曲目は明るい感じ、2曲目はやさしい感じの音色を設定してもらいました。オルガニストさんは、どんな音色で表現するかということをいつも考えて、音を足したり引いたり混ぜたりしている、そういう工夫を知って初めて、足鍵盤をつかった低音の響きの重厚さに気づいたし、オルガン曲を味わうポイントもわかってきた気がします。
最終日、受講者同士の弾き合い会を経て、最後に先生の演奏がありました。
「たった一人で、こんなに圧倒的なスケールの音楽表現ができる・・・先生の演奏、そして楽器の力がすごいです」そんな感想を伝えると「私は自分が一人で演奏しているとは思っていない。いつも傍らにバッハがいて、私は楽器を通して彼の音楽を伝えているの」とお返事をいただき、痺れました・・・!
私は演奏中は、ただ響きを楽しんでるだけだったな・・・。まあ今回はそれでもいいか。大切な経験として、いつまでも忘れずにいたいです!そして機会があれば、また触ってみたいなあ。
つたない演奏ですがこちらにしばらく載せます。
ご興味あるかたはごらんください♪