作曲・編曲51

いよいよ51に〇が付けられなくなりました(笑)。

今日取り上げるのは森高千里さんの「ジンジンジングルベル」です。

森高千里さんの場合、作詞者としての評価が高いので意外かもしれません。

確かに作詞能力の高さは素晴らしいと思います。

CMタイアップであっても、その作品だけで「宣伝」までしてしまうことってハードル高いんですよ。

えげつなくコマーシャルにするか、こじつけ的に宣伝するか、気にしないで作るかの3パターンが基本でしょう。

でも、きちんと歌詞として成立させながら、しっかりCMにもなっている、これって凄いことなんですよ。

「決めた沖縄の海にしよう」って歌われたら本当に沖縄に行きたくなりますからね。今はさすがに無理ですが…。

「渡良瀬橋」にしても、よくあの橋で(実際に行ったことがあります)あのような歌詞が書けるのかと思います。

歌聴いてあの橋にいくとがっかりするかもしれません(笑)。

まあ作詞の話は別の機会にでも。それ位の作詞者だと思います。

同時代的に聴いていた訳ではないので、振り返る価値はありそうです。

あのドラムも好きなんですよね。技術的に上手いというのとは違うけど、淡々とした感じで叩いているのに、細かい表現力もしっかりしているんですよね。

普通淡々と叩くと、完全に淡々としたドラムになってしまい、味もそっけも無くなりがちなのに、きちんと表現として成り立っている、これは練習して身に付くものではないかもしれません。

ただ、正直作曲についてはそれほどではないと思っていました。

「ロックンロール県庁所在地」なんて典型的なブルース進行にメロ乗せただけだし、どちらかというとネタものみたいな作品が多い印象です。

ただ「ジンジンジングルベル」、この曲は不思議というかアヴァンギャルドというか、面白い曲だと思います。

聴いてもどこがサビなんだかAメロなんだか、ここは大サビなのかそうでないのか、一応説明自体は可能ですが、おそらくそんなことは全く考えて作られていない…。

洋楽の構造を前提に把握した方がいいのかもしれません。

で、歌の部分が極端に短い…。

コード進行もメロも独特の作りですよね。コード進行の手法としては半音の動きを意識した進行で、独自のものとは言えないでしょうが、あのメロが付くと不思議な印象の曲になる。

編曲はいかにも昔の曲といった雰囲気ですが、多分曲自体にも手を入れているんじゃないかなあ。

ただ基本的な部分はご本人が作っていて、それを編曲者が上手く組み立てているんでしょうね。

多分この曲、最初は冒頭のフレーズだけで、曲にはなっていなかったんだろうと思います。

他の部分は後から作った印象です。それが故に独特な作品になったんだと思います。

もちろんあそこから曲にしようという発想(もちろん制作サイドでしょうが)は普通かもしれません。たまたまCM用にその部分だけ作ったとしても、話題になれば二匹目のドジョウを狙うのは不思議なことではありません。

ただ、そこからの作り方が上手いんですよね。まああのような「立った」フレーズが最初にあったとすると、結構気合入れないとアンバランスな印象になるから、ちょうどいい加減なんだと思います。

随分長く書いたので、今日はこの辺で。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。